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アンテナ修理の顛末記・・⑨ ついに劇的解決! [工事]

前回の( https://t2mary.blog.ss-blog.jp/2020-01-07 )の続きとなります。




技術者の方は、屋根に上がってくれました。

私は、屋内のTVで受信状況をモニターしていました。

もう一人の方は、屋根上の見える路上で技術者の方と交信しながら、作業を見ていました。


私は窓越しに、「今現在は、BSも含め全局受信できています」 と伝えました。

屋根上の作業が気になり、外に出て地上の係りの方のところに行き、上を眺めつつ話しました。

『ブースターは、計測した結果、携帯電波を拾っていない(=干渉していない)ですし、上で計ってもTV電波の受信状況はすごく良いですね~』


(これは屋内のTVからして想像通りでして、私としては窮地です)



「ですが、今は映るんですけど、普段はTVが見れない時のほうが多いんです。」

「携帯電波がたまたま現在は弱いとか、利用している人が少ないとか、何らかの理由で今はTV電波が受信出来ているとかは、無いですか?」



『新しい携帯電波は、利用状況に関係なく24時間出てますから、それはないと思います』





少しして私は屋内に戻り、TVで受信状況を再確認しました。

するといつもの状態(=BS全滅、地デジ3~4局受信)になっています。

すぐ外に出て伝えました。

すると・・・

『今はブースター消えて(=電源ランプがついていない)ますね』


家の中のブースターの電源ランプは点いています。


屋根上の技術者はブースターを開け、何やら作業を始めました。


(下から見る限りですが、ブースターのカバーを外し、内部と3本の出入力端子をチェックしているようでした)


『ブースターが壊れているみたいですね~』


(ブースターの故障が原因だとしたら、稀に全局映るのはナゼ?? ブースター無しでも立派に受信するのか?? ワケがわからん)




ここで一緒に見ていた地上係の方から、ある雑談?(提案?)と云うかアドバイス?をされました。

私にとっては大変魅力的な話ですが、迷います。

何故なら、ちょっとしたウソをつかないとならないし、損得抜きで一所懸命やっているそのお二方にも、迷惑が掛かるかも知れないから(提案の内容は、blogでは公開できません)です。


しかしソレをすれば、この3か月間のTVの問題から恐らくは解放されるかも・・・

屋根上の作業を見上げながら、(どうしよう~困ったな~)と思っていると・・・


作業員の方が、アンテナ周りを離れ軒先のほうへ行き、何かを拾い上げました。

そして曰く、『コレじゃないかな~』


私の隣の地上係の方が、『〇〇(=屋根上の技術者のお名前)さん、スイッチ入っちゃいましたか!?』と冗談半分。



(その通りでしょう)屋根上では、もう無言の作業。


思うに、”技術者”としてのプライドが、”直せないことに我慢ならない”のです。

私も今までその手の経験は多いので、気持ちは分かります。

そして、彼が何をしているかもヒラメキました。

ソレが正解と直感しました。


恥ずかしい事に、今まで私はソレを思いつきませんでした。

言い訳すれば、”車椅子の私立探偵”さながら、この問題に於いては、私はもどかしい事に”現場”を見ることも触る事もできなかった(2階の屋根の上だから)・・・・。




約5分後、『大丈夫、直ったはずです、テレビ確認してみてください』


私は確認する前に、屋根上の彼に路上から大拍手を送り最敬礼しました。

それから屋内に入り受信状況をチェック・・・・やはり”パーフェクト”でした。




説明させていただきますと・・・

ウチのブースター、屋外機には3端子あります。

2つは、地デジアンテナとBSアンテナからの入力端子。

あと一本は、屋内機からの電源供給と、屋内機へ(ブースターで)増幅された受信信号を送る線です。

通常それは、屋根上から2階の外壁から屋根裏にいき、各部屋の壁面に配線されています。

TVアンテナから2階外壁までは家屋によって距離が様々ですから、(屋根上で)コネクターで延長されます。

そのケーブルのコネクター部分の接触不良です。

風速50m以上の台風の風で、コネクターが屋根に何度も打ち付けられ徐々におかしくなったか、その次の台風の大雨でコード内部に浸水したか、そのどちらかか、もしくはその両方ではないでしょうか。

そうであれば、何かの加減で接続していたり、雨露の侵入が乾いていたとかの時に、たまたま「全局受信可能」という状況の説明がつきます。





命には関わりのない『タカがテレビ』の事ですが、ひとつの”問題”がやっと解決され、私は随分ホッとしました。




〈アンテナ修理の顛末記・・⑩最終章 あとがき〉  に続きます。








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アンテナ修理の顛末・・⑥ モグリ?詐欺?ヤミ業者? [工事]

前回の⑤ https://t2mary.blog.ss-blog.jp/2019-12-28 の続きとなります。


『修理』したはずのTVアンテナ。

翌日からまた映らなくなって・・・考えました。


うちに来た作業員たちは、モグリ? 詐欺? ヤミ業者?

私には判りません。

しかし、グレーな点は幾つかあります。

1.後日確認して分かったのですが、ネット上の会社名、見積書の会社名、領収書の会社名、それぞれ全部が別々の名前でした。
怪しくないですか? 詐欺師が使いそうな手口が臭う?

2.素人判断ですが、通常の業者は、日没後に屋根上の作業はしないように思います。しかも小雨が降っていました。

3.車です。2台とも軽バンでしたが、正規の会社であれば、仕事用の車は4ナンバー(=商用車、軽貨物)ではないでしょうか。しかもそのボディには、社名もロゴも書いてありません。名刺も持っていない。

4.これが一番肝心な事だと思うのですが、口のきき方、作業手順・方法、専門知識と熟練度などに、私は疑問というかレベルの低さを感じました。しかし、20年海外に住み4年前に帰国して以来、工事や作業を他人に頼むのは初めての経験でした。
この時は、日本も今はこんなものなのかな、と納得してしまいました。



それよりも、私は何故TVが映らないのか考え続けていました。

先の業者の云う、馬が不安定、BSアンテナの場所が悪い、という説明は受け入れられないです。

何故、ごく稀に全局映ることがあるのか?

判りません。

私は理工系(技術系?)の人間の端くれ者ですから、夜も眠れないほど(笑)、そこが一番気になっていました。

全ての現象には、理由と云うか、原因がある筈ですから。

しかし2階の屋根の上です。

近くで調べることも、手で触る事もできません。

長梯子を買って、自分で上がって修理することも検討しました。

上がること自体は大丈夫だと思いますが、原因を特定した後、修理作業となると、その内容によっては、今の私には無理かもしれないし危険です。



アンテナ修理の顛末記・・・⑦ に続きます。








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ストーンテーブルのテント [工事]




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ウチのビーチ側にある、ヘリコプター着陸用のストーンテーブル。

(↑)それほど丈夫だと、今は亡き棟梁・エンボイ(まだ生きています)が、かつて言いました。


此処で、海を眺めて歓談したり、食事したり、夜一杯やったりと、それなりに活用しているのですが、ひとつ問題があります。




『雨だろう』・・・・って違います。

その反対です。

陽射しです。

雨は、当地ではダラダラ降らず、暫らくすれば止みますので、その間、お座敷レストランに避難すればいいのです。

しかし、強い陽射しはそうはいきません。

日陰は涼しいですけど、暑いのです、日なたは。

お肌の大敵でもあります。



そこで上に着脱式のテントを付けようと、骨組みパイプの図面を書きました。

経費節約のため、鉄パイプのカットとペイントは私がやるとして、溶接作業だけを近くの鉄工所に見積もらせると、足元みて吹っかけてきましたね。

お断りです。

私にムダガネは有りませんが、考えはあります。

だったら溶接抜きで、設計してやろうじゃないかと・・・どうってことはありません。



5分(ホントは20分くらい)で図面が書けました。

プランは、水道管配管と同じように、継ぎ手で組んでいく。

組み順で両端固定パーツを少なくしないと、ユニオン継ぎ手を多用して見た目が汚くなる。

そんなこんなを調整して、出来ました。


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あとは上に張るテントです。

もとより常設ではありません。

常設なら、最初からちゃんとした屋根つけます。

芝生の枯れと、視界の遮(さえぎ)りがイヤですから、必要なときだけにテントを張ります。

簡単に言えばビニールクロスですが、特注ですから、弁慶号のカバーのように、セブ市の専門店に行って発注しないといけない。

発注&受け取りで、最低でも丸2日潰れます。

しかも、良い品はけっこうなお値段となります。

だったら、この際ホームレスのハウスでお馴染みのブルーシートでイイじゃない、ってことで・・・。




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クラブハウスのダイニングテーブルをどかし、床のタイル目を角度の基準にして制作。



こちらでは、ブルーシートを『トロッパル』と呼びます。


ドマゲティ市の、中国バッタモノ屋で格安で買いました。


既成ですから、当然ですが、ピッタリはありません。

何枚か買い求め、切ったり繋いだりして周囲にハトメをつけて、作りました。

ウチのコンセプトは、“すべて手作りで”・・・・意地でやっていますが、これがけっこう疲れます。

しかも、私のような素人がやっています。

この国のレベルは充分クリアーしますが、日本のプロの職人さんのようにはいきません。



このテント、年末年始に活躍する予定ですが・・・・さてどうなる事やら。







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スロープ工事と天の祐け [工事]

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昨日午後4時撮影


T2の海のスロープ・補修工事を昨日やっと終えました。

2週間前の3m、昨日の6メートル、計9メートルで、今年3月の波による侵食・破損部分を直せました。




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今朝5時30分撮影


私としては一安心どころか、本当にホッといたしました。

何故なら、今回の潮時が工事に適する金曜土曜の2日間は、スコールが頻繁で水槽(の水位)によれば、2日で400ミリほど降水量がありました。
工事を予定していた日、つまり日曜も、衛星画像を見れば雨が心配で仕方なかった。

しかし、何やかやの都合で、工事は昨日1日の“一発勝負”しかなかったのです。
昨日を逃せば、また暫らく予定は立てられません。

結果、写真の通りの快晴&凪ぎ、100%順調に工事を終えることが出来ました。

こういう場合、天候・海況のことですから、気を揉んでも仕方ないのかもしれませんが、大袈裟に言えば、私は1週間も前から昨日の天気を心配し、憂い、空と海と潮位表を見ては天に祈っていました。

“運否天賦”(うんぷてんぷ)と言うように、お天道様や海のことは、人知の及ばぬこと、お任せする以外ないから、そんなもの考えたり気を揉むだけ損だ、ムダだというふうに考える方が多いかもしれません。
『なるようにしか、ならんだろう。』ということでしょうね。

ですが私は、そうは思わないのです。
なぜかと言うと、今までの経験です。
つまり、自分でやるだけやって、“あとは神頼み”となった時に、「何とかしてください!」と強く、頻繁に願って、本当に何とかなった事が過去に少なからずありました。

『そりゃ、タマタマだろ?』

『運が良かったんじゃないの?』

と考えることもできるでしょうが、私は単細胞ですから、自分に都合の良いように解釈して“天が味方してくれた” 
“天の祐(たす)け”といつも思ってしまい、畏れ入り、感謝してしまいます。

きっとバカバカしい話なのでしょうね。






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海のスロープ補修 [工事]




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チェックアウト前夜のパーティー、集合写真



7月1日、朝6時半にお客様がチェックアウトされた後、T2はゲスト無しの日が続いています。

そのため、前々からスロープの補修を予定しておきました。
T2のビーチのゲートから、真っ直ぐ沖に伸びる長さ20数メートルのスロープは、本来ダイビングボートの発着用なのですが、普段は近所の子供達と大人たち?の遊び場になっています。

波で表面が削られますので、定期的に大補修します。
今回の補修部分は、長さ12メートルです。


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そのうち3mを7/1に終えました。
前もって潮位と時間を調べ計画し、段取りを考え材料を揃え、職人をてあてして施工に至ります。
しかし、そうしてせっかくやっても、波気が出たり、スコールが来るとセメントが流れ、まさしく『水の泡』です。
陸の工事より神頼み部分の割合が高く、神経を使います。

すでに2度、中止、先送りしていますから。


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潮が引く頃合を待ち、正午スタートでした。
今回の作業員は5人。
T2の建設に最初から最後まで関わったエリック、オバちゃんスタッフ・ロースの旦那、マデール、ユミちゃん、私です。
ご存知ユミちゃんは、工事仕事好きです。
マデールは、男勝りの力持ちで、セメント捏ねもロースの旦那と対等にします。

4時に予定の3m(幅4m)のセメントを打ち終えたと同時に、雨が降り始めました。

そら来たとばかり、前に石を積んだり、弁慶号のカバーシートをかけたり、椰子の葉で覆ったりとせわしく動き、あとは神頼みです。



翌日の2日朝4時半にビーチに見に行くと、セメントはどうにか流されていませんでした。

一晩中、波が無かったせいでしょう。


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ヤレヤレ、海神様のおかげです。

感謝です。

ただ、またしばらくは潮が工事に不適で、次の作業はとうぶん先になります。



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また海のスロープ工事始めました [工事]




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毎日穏やかな晴れが続いている、ラグンデ村の“T2ゆかり”です。







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ここのところお客様がいないので、出番なしの“BENKEI”=“弁慶”





ウチの前の海、船の離着岸用のスロープの改修工事を始めました。





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T2専用スロープの前のほう。



またです。
通算すると4回か5回目、延べ日数ですと30日は軽く超えるでしょうか。
今回も延長です。
約4メートル。
これで総長は、かるく20メートルオーバーになります。
今までの状態ですと、先端部分の傾斜が若干強くスロープに藻・コケが付いた場合―――海中部分の藻・コケはつき物ですが―――滑って転んで大回転、てな事にも成りかねません。




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これがその先端の傾斜部分。



しかし、スロープ、特に先端の工事はなかなか厄介な作業でございます。

①に、スロープ先端の海底が現れる、満月や新月近くの大潮の干潮時にしかできない。
これが月に5~6日で1日当たり2~3時間くらい、時間帯は早朝か夕方だけです。

②に、たまたまその時、波があればセメントが波で揺すられて流れ去り、全くの無駄に終わってしまう。
(波が無くても、相手は自然、1時間後も波が無いという保証はない。)
したがって、12月の最も干満差の多い時期には、ここらは北東の季節風が吹きやすく工事はできない。

③に、これらの自然条件をクリアーしたとしても、肝心の職人がつかまらないと作業は無理。

つまり、以上3つの条件が重ならないとデキナイのであります。




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スーパー助っ人“〇ミちゃん”も石運びのお手伝い。 イイことかワルイことか、最近、Y嬢、ネコ(1輪車)を押す姿がキマッテきた。



以前、①②がオーケーで③が適わず、私一人でうちの女性スタッフを助手にしてやったことがあったが、フルマラソン同様、言ってみれば、体力勝負で時間との戦い、精根尽き果て、もう2度とそんな気は起こしません。




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基礎の作製。 スロープ先端の先の海底に石を並べ、そこへセメントをバケツリレーで『ジャッポン』と落す。 朝の海の、何とものどかな作業風景。




傍から見れば、海にセメントを捨てているような光景です。
セメントは水中でも硬化するが、型枠も無く、固まるかどうかは海任せ。
波が出ると流れてしまう。
せめて、もっと大きい石が集められれば良いのだが・・・もうウチの近所には無い。
(ウチで取り尽したからだが。)

時は早朝。
そうこうする内に、近所の漁師の船が網を揚げて、続々と帰ってくる。
すると職人達は、本能の赴くままに、仕事を忘れて漁師の船のところへ行き、手に魚を持ってニコニコして戻ってくる。
魚が多く獲れたときには、漁師が皆に分け前を配ります・・・フィリピンの習慣です。
こういう習慣、昔の日本にもありましたね。






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こっ、腰がヘロヘロです [工事]




ミンダナオ島の東にあった大きな雨雲が北上して、今日は雨です。
ムスリムが強いミンダナオは恐ろしい島というイメージがありますが、かつてムスリム王国のあったマギンダナオ州で選挙に絡んだ凄惨な事件が起きました。
クワバラ、くわばらです。




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今朝のスロープです。


意を決し、ひとりで始めた『スロープ、もう、これっきり、工事~!』です。

今回は数えてみるとスロープの“第4次工事”でした。
リゾート全体の仕事の段取りをみて、天気や潮を計ってやるのでこうなります。

ですが、やはり、ひとり作業は最悪です。
なんか、私の過去の善からぬ所業の罰ゲームを受けているようです。

昔の『田植え』ってのがありますね。
田んぼの中で、腰をかがめて、延々と苗を手で植えていくアレです。
スロープは斜面ですが、上からでしかセメントは捏ねられません。
必然的にかがみます。
・・・・あのスタイルで、スコップを持ち、湿った重い砂とセメント粉をミックスして、水を加えて余計重くなったのをまたしっかり混ぜる。
・・・・あのスタイルで、セメントを節約するために石を拾い集めて運び、スロープに並べていく。
・・・・あのスタイルで、セメントをバケツに入れ、ヨッコラショと持ち上げスロープに撒く。
・・・・あのスタイルで、セメントをコテで均す。

全部、ちからが腰にきます。
腰がくぎを打たれたような感じで、固まってしまいます。
いちど伸ばすのに7~8秒かかります。
20年前ならともかく、今の私にはキツイです。
箸より重たいものを持った事のない私です(ウソですが)。
かつてシティボーイと云われた私です(これもウソですが)。
車で言えば、もうポンコツです(これはホントです)。
やっぱり誰か雇えばよかったかな・・・・と途中で何度も思いました。

腰がヘロヘロになります。

大方の工事作業には人工(にんく)とか、適正な作業人数があります。
特にこのスロープ作業は、潮時で作業時間が限られますので重要です。
仮に、7人くらいで分業して上手くやったとしたら、おそらく1回で終わる仕事ですが、1人作業の場合では、7日間で終了というわけにはいきません。
効率が悪いからです。
例えば、作業終了前のスコップやバケツ、コテなど道具を洗うことも、作業面の養生も、1人だと何日もかかるので何回も繰り返さないといけません。
面倒な作業準備も然りですし、セメントを捏ねるのも1袋ずつより、何袋かいっぺんに練ったほうが能率は良いです。

20日、22日、23日と3日間やりましたが、今日(24日)から潮が工事には不向きになりますのでスロープ工事は暫しお休みです。
次は12月第1週後半、満月のあとでしょう。

しかしです。
今後も、私はこの工事は最後までひとりでやってみようかと考えています。

“無用の用”という言葉があります。
長たらしく言うと、

“人はみな有用の用を知りて、無用の用を知るなきなり”

荘子の古い言葉ですが、充分現代にも通用するのではないでしょうか。
正しい解釈ではないかもしれませんが、現にこの私です。
今までやってきたこと、どちらかと言うと現代の日本では何の足しにもならないようなこと、他人に無駄と言われたことでさえ、その経験がフィリピンに来てかなり私を助けてくれています。
人は先のことは判らないですから、今は無駄と思うようなことでも将来何かの足しになる、或いは、一見ムダと思えることが、どこかで何かや、誰かの役に立っている、そういうことでしょう。

今回のスロープ工事にしても、まだ僅か3日でなんですが、大発見がありました。
知る人ぞ知る、あのフィリピンスタイルの『汁だくセメント』。
この国は、水気タップリのスープのようなセメントを使いますが、あれが一理ある、必ずしも間違ってはいないとわかりました。
実は今回私一人ですので、初めしっかり練った『日本式セメント』を試しました。
結果ダメでした。
日本式は職人専用『プロ御用達』セメントです。
この国の作業者は『プロ意識』あまりないです。
『プロの技術』も私と同じレベルですから日本式セメントは使いこなせません。

汁だくセメントの方が楽に短時間で練れるし、速やかに、かつ勝手に隅まで入るので作業が簡単、疲れないのです。
日本式の方が勿論強度も出ますが、それも正しい技術が有ればのことです。
だいいち、自分の事が優先する人たちですから、自分の身体にきつくないのが何よりなのです。
私は、この国の気候には汁だくが適しているからだろう、と今まで考えていましたが誤りでした。
実際に作業を全部自分でしてみて、初めて気が付くことです。

そんなこんなもあって、この工事は今後も一人でやってみます。
確かに腰はキツイですが、しばらくすると痛みはなくなりますし。
なにより、どうも私は『肉体労働』、身体を動かすことが性に合っていて、好きなようです。
何だかんだと言いながらも、結構楽しんでいる私がいます。







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土方フウテン [工事]




“土方(ひじかた)フウテン”ではありません、“どかた”です。

前回の続きのお話です。

20日朝、3時半に起きて、4時にビーチのゲートの鍵を開けスロープに出ましたが、真っ暗です。
星もなく全天曇り空、しかし、ここのところ吹いていた風(アミハン)も無くベタ凪、天佑、ラッキーです。




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スロープの先端近くにセメント用の砂を出します。




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この砂はセメント袋で30袋ほど、1週間かけてこつこつと昼間集めたものです。
何故コツコツかと云いますと、もうアミハンの時期でしてビーチは石灰岩の小石だらけ。



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こんな状態ですので、ひと袋の砂を集めるのも結構大変です。
砂なんて買えばいいじゃないの!と思うかもしれませんが、買ってもビーチに配達してくれるわけではありません。
砂の2トンダンプが入れるのは、せいぜいクラブハウスまでです。
そこでセメント袋につめて、延々とビーチまで運ぶ手間を考えると、わざわざお金を出して買う意味がありません。

かねて用意の残材置き場の古角材を使い、先端に枠を組む。
古釘と職人達の忘れ物のナイロン糸を使い、レベルを張り巡らす。
ちなみに、今回の工事で購入品はセメントだけです。
いろんな意味で、フィリピンの田舎に住むことは“サバイバル”ですから、頭は使いますが余分なお金は使いません。



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干潮が始まりセメント打ちの準備完了。
時間も計画通りです。
ようやく明るくなりかけてきました。
今日の作業予定は先端の先端(いちばん沖側)からはじめます。
理由はここが肝心、要だからです。
此処さえ決めてしまえば、あとは間を繋ぐ作業のみで、毎回レベルを取り直す必要はありません。
写真では、張り巡らしたレベル糸は見えません。

セメント1:砂:2:砂利:1.5の割合で捏ねます。
スロープは斜面ですので、練る時に水が流れないようにちょっとコツがいります。
捏ねながら、バケツに入れて先端に運び、ぶちまけて、コテでならす。
この繰り返しです。

ここで想定外の事が起きました。
この作業を全部一人でやると―――普通は一人ではしないのですが―――時間がかかるし身体がきついのです。
思えば、“還暦”の二文字が、やや歩幅を広げて近づいてくる今日この頃の私です。
スローバラードから、もうマーチに変わりました。
南国暮らしで運動不足もあるのでしょうが、パワー&スタミナにかげりが出ています。
昔の面影はどこへやら・・・腰がきしみます。
肉体労働がだんだん不向きになっていくようですが、今の世の中に合致するような頭脳労働はもともと苦手です。
車でいえば、私は10年落ちの年代遅れです。
ただの『ムダ飯食い』の私でしょうか。
予想以上に時間がかかり、はじめのひと練りを打ったら7時近くなってしまいました。



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今日の干潮時間は7:23AMとなっていますので、これ以上セメントを練っても、乾かないので無駄です。
朝食を摂り、1時間後にならしに行きます。
時間が経つと斜面が平ら気味になるし、表面に水が浮き凹凸が出来るので、コテで均して締めるのです。
レベル糸とその釘を取り除きます。
以上を終えて、8時近い時間です。
あと2時間するとこの場所には、海水が来ます。
ところが、セメントはまだ全然硬くないのです。
今にも降り出しそうに天気が悪く、キツイ陽光がないので、乾きがいつもよりずっと遅いのです。
!!!!嫌な予感

絶体絶命!・・・か?
・・・朝4時からの懸命の作業が水泡でしょうか?
なぜか、頭の中で『♪は~る~のこもれびのなかで~♪』と、切なくも空しい“TV高校教師”のテーマソング、僕たちの失敗が流れます。


http://www.youtube.com/watch?v=7H5555py7OA
(森田童子、“ぼくたちの失敗”です。)


・・・いや、まだ負けられません。
悪いことばかりではなく、私にはツキがあります。
なぜなら、雨は結局降っていないし、波もまだないのです。
考えて、私は最後の捨て身の作戦に出ました。

まず、海水が押し寄せるギリギリまでは、自然乾燥させるため待ちます。
幸い腰は回復していますので、エネルギーを蓄えておきます。
そして、再び戦闘開始です。
セメント袋を裂いて1枚にして、まだ柔らかいセメントの表面をカバーします。
残材置き場から屑ベニヤを持ってきて、さらに覆って押さえます。
さらにその上に、15~25センチの石(漬物石大)を盛るのです。
私はセメント袋片手に、そこいら中の大き目の石を拾い集めました。
これも石の入ったセメント袋を持ち上げて担ぐ仕事、また腰がきしみ出しますが、戦闘モードですからあまり痛みは感じません。
急がないと海が来ます。



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4~500個の石を拾い集め、積み上げました。
私は専門家ではないですが、セメントは水中でも硬化します。
ただし水に振動、動き(この場合は波)があると、崩れてしまいます。
私は、あの“モーゼ”ではないですから、海をどけることは出来ません。
ですので、こうして埋めて、波による振動から遮断するのです。
おりしも、風が吹き始め、波も出てきました。
「オ~マイ、ガッ!」



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明日朝まで、この場所は水面下です。
ちなみに、今の潮ですと夜0時30分には深さ2メートルになります。
もう私に出来ることはありません。
運を天に任せ、サンミゲルを飲んで、お昼を食べて、休憩です。
・・・
・・・
・・・
・・・
一夜明けて、21日になりました。
朝4時に目が覚めましたが、雨。
外仕事、特にセメント仕事はできません。
気勢が、そがれました。

朝食後、様子を見に行きました。



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天は私に味方しました!
セメント袋とベニヤ板は岸に打ち上げられ、石山は崩れていましたが、昨日の作業箇所は守られました。
天に感謝です。
これで作業継続の見込みができ、意欲が湧いてきました。
ミンダナオ島の東に低気圧が出来そうで、22日以降の天気が心配ですが、私は私に出来る事をただただ、やるだけです。

朝食後、次の工程の準備に取り掛かりました。







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“MI.Ⅳ”=最後(?)の難関 [工事]

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ふた潮まえ(1ヶ月前)の大潮に、ボート用スロープの補強(厚さ10~15センチ追加)と延長(1メートル)工事をしたことはお伝えいたしました。


http://t2mary.blog.so-net.ne.jp/2009-10-26

http://t2mary.blog.so-net.ne.jp/2009-10-29


しかし冒頭の写真のところで時間切れ、つまり、干満の差が大きい大潮が終わってしまいました。
先端部分の工事が残りました。
スロープの突端のほうの工事は、大潮の干潮時間帯でしかできません。
そこで、その時作業員エリ〇〇に、残りを仕上げるため、今月6日と7日にまた来る様に伝えました。
念のために、前日に確認を取りに彼の家に人を行かせました。
しかし当日、現れませんでした、連絡もありません。
エリ〇〇は、T2の建設工事の最初の塀の工事から最後まで、2年近く使った唯一の職人です。
若いのに他の人よりはしっかりしているので、それなりに目をかけ優遇したつもりです。
今までのことがあるので、他に仕事があっても、2日間ぐらいは抜けてウチにくるだろうという甘い期待の計算がありました。

しかし・・・です。
ここは日本ではありません、義理も人情も存在しないようです。
そりゃフィリピンにだって、約束を守る律義者は沢山いるでしょう・・・私はそういう人はあまり知らないのですけど。
“義と信”を重んじる人もいるでしょう・・・私はほとんどみた事ないのですけど。
金、金、金、お金の為なら何でもするという拝金主義ではない人当然もいるでしょう・・・私はまだお目にかかっておりませんのですが。

私もフィリピンにそこそこ長いので、ここでは誰も、何も、信用してはいけないことは重々承知です。
ですので、この程度では腹は立ちません。
「やっぱり、か・・・」と思うだけであります。


こういう時は、マザーテレサに心を清めてもらうのがいいでしょう。



“善い行いをしても、おそらく次の日には忘れられるでしょう。気にすることなく善を行い続けなさい。”



“あなたの正直さと誠実さとが、あなたを傷つけるでしょう。気にすることなく正直で誠実であり続けないさい。”



“助けた相手から恩知らずの仕打ちを受けるでしょう。気にすることなく助け続けなさい。”




そうか、そうなんだ。

私はすぐ影響される単細胞ですから、心の曇りがだいぶん取れました。
エリ〇〇にも、やむにやまれぬ事情があったのでしょう。
しかし、気のせいか、隅っこのほうで、『くそっ、エリ〇〇の野郎!おぼえてろ~!』という呟きがするようですが・・・。


それよりもスロープ。
完成させるのが私の使命です。
なんて・・・ボートも船台もウインチもないし、それに、いまアミハンの時期ですからスロープだけ出来上がっても仕方ないのですが、これは“男の意地”であります。

こうなったら、何もかも全部、自分ひとりでやってやろうじゃありませんか。
今回、助けは借りません。

実際、手作りリゾートと言ってますが、確かに全ての設計、仕様は小物に到るまで私が考えて図面を引いてますが、施工に関して、私が手を出しているのは数えるほどです。
私は指示を出し、監督し、確認することが中心でした。

これはきっと天が遊び心を出して、私に『おまえ、自分でやってみろ!』と試しているに違いありません。
了解です、望むところです。
だいたいですね、この国の建築工事を10年見てますが、段取りが悪すぎます。
前回、スロープ工事が終わらなかったのも、段取りが悪くてセメントが固まる前に潮が来て、そっくり流された日があったためであります。

確かにスロープ先端部の工事は、難しいです。
時間との戦いです。
なぜなら、先端が水面下から姿を現すのは、大潮干潮時の4~5時間だけだからです。
その間にレベルを取り、型枠を作り、セメントを捏ねて打って、ある程度乾燥させなければならないのです。
こんな田舎には、速乾セメントなんて影も形もありません。
普通セメントで勝負するだけです。
しかも今は、前回と違いアミハンで波があります。
生乾きでも、波が無ければコンクリートは固まってくれますが、波があると哀れというか悲惨です。
これはもう、“Mission Impossible=ミッション・インポッスィブル”です、“MI.Ⅳ”の世界です。




blog489-2.jpg

2週間前の写真です。
スロープの先端は水面下です、まだアミハンは吹いていません。


しかし、私には勝算があります。
勝機を見出すには、段取りを完璧にすることです。
決戦スタートは20日水曜、朝4時からですが、それまで、あ~だ、こ~だと1週間かけて考え準備しました。
よくスポーツの世界では、イメージトレーニング(イメトレ)と言います。
何百回、何千回と頭の中でイメージして、イメージの中で完璧にできれば、間違いなく勝利や成功があると言うやつです。
器械体操の選手が行なったり、短距離の選手がするのが有名ですが、以前マラソンの瀬古選手が試合後に『イメトレ中、自分がトラックでイカンガーと競り、勝ち、1位でテープを切るのが見えた、その時の観客やコーチの顔までがはっきりと見えた、そして実際にその通りになった。』と語ったことがありました。

私は、老骨に鞭打ち、イメトレと段取りでこの“MI.Ⅳ”に挑戦いたします。

なんか、おおげさだな~。

『これで出来なかったら、かっこわり~ィ』なんてイメージが湧いてきました。




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また始まっちゃった [工事]



リゾート内の工事が完了して、エンボイ組が解散して数ヶ月。
暫しのささやかな平和が、確かにT2に存在いたしました。
しかしいつぞやお伝えしたように、居残り組みが完成させたビーチのT2専用ボートスロープ。
先般の大潮と大波が重なった際、本来の目的に一度も使用される前に、もっと正確を期すなら、近所の連中のカッコウの遊び場としてのみ使われているうちに、“漂砂”により若干のダメージを受けました。

そこで補修工事を計画いたしました。
早めの手当てが肝心です、というとかっこいいですが、私セッカチですから急ぎました。
ところが職人が見つかりませんでした。
エンボイ組全員、うちの工事が終わった後にヒッパリダコ?になりまして、誰も捕まりません。
やはり男の評価は、『仕事』です。
『あの!T2を作った男達』ということで、彼らに次々と仕事が舞い込んだようです。
私としても、彼らの行く末が心配だっただけに嬉しいのですが、そのためにスロープ補修に手を付けるのが遅れました。


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T2の石垣のすぐ脇にあった隣のタリサイの木が海岸侵食で倒れ、T2のブロック塀の下の土がえぐられ穴があきました。





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穴を石とセメントでふさぎました。



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同時にそっち側の砂がさらわれ、スロープの下がえぐれ部分的に基礎の下が露出しました。



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更に深く砂を掘って、基礎を補強しました。



そっち側のスロープが高くなり1メートルほど段差が出来て、村の人たちがビーチを歩きにくくなりました。
迷惑をかけ文句を言われないうちに、階段を作りました。



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いずれにしろ、あと2ヶ月もすれば風が変わり、砂がこちら側に新たに堆積して楽に歩けるようになるのですが、この国にお世話になっている外国人としては、ここはきっちりするべきでしょう。



そしてスロープ表面の補強です。
これが今回の工事の第一の目的です。
海中のスロープは、毎日少しずつ削られていきます。
どんなに頑丈なスロープでもほおって置けば、やがてガラとなります。
その前に補強です。
今回は、10センチコンクリートの厚みをたす予定です。
例えば、厚さ50センチのコンクリートのスロープを作る場合、一度に50センチ厚を打つより、ウエハースのように何度か重ねたほうがこの国では丈夫に出来ます。
経験上、悟りました。
理由を一言で言えば、仕事がザツだからです。

今回の工事再開で一番喜んでいるのは、うちの長男『太郎』です。

思えば3歳になってからほぼ2年間、毎日、彼の遊び場は現場でした。
数ヶ月前、工事が終わってからはあまり外で遊ばなくなり、家の中での遊びが増えました。
先週工事が始まると、マンガのDVDもそっちのけで現場に行きます。
男ですから、何かを作るという事が好きなのでしょう。
もうすぐ5歳ですが、見よう見まねで大工、左官、ペンキ仕事を彼なりにこなします。
最近は、釘がはみ出ているとか、セメントのコネが不十分だとか、手抜きやミスを職人に指摘するようにまでなりました。


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今の現場は海ですから、ご覧のスタイルで作業のチェックです。

職人達も、私に言われるより、太郎に言われた時のほうが素直に従います。
トヨタの『子供店長』ならぬ『子供現場監督』ってとこですか。





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