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セブ島・オスロブに、なぜ?ジンベイザメが・・・ [ジンベイザメ]

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前回のジンベイ海岸の記事(↓)

http://t2mary.blog.so-net.ne.jp/2013-04-18


に『だるまおこぜ様』から、次のようなコメントを頂戴いたしました。


がちがちの自然保護論者からは異論はあるでしょうが、このジンベイの餌付け。どのように始まったのでしょうか。例えばたまたまそばにいたジンベイに、漁師が余った餌を放ってみた。あるいは意図的に誰かが考えた。 日本では最近捕まえたジンベイを、水族館に送る前に、人間から餌をもらうトレーニングをするセンターがあるようです。ジンベイがもともと人に馴れやすいとすると、世界中で餌付けなんてことも、これはこれで、ちょとと問題であります。それでも、水槽の中の見世物にするよりは、はるかにましかと思っておりますが。 by だるまおこぜ (2013-04-19 18:14)




海好きの方やダイバーの中には、同様な疑問を持つ皆様が多いと思いますので、記事として私見を述べさせていただきます。




・・・・・・
なんて大袈裟に書いてしまいましたが、実際のところ、この“ジンベイザメの餌付け”しかも“10匹前後が毎日やって来る”ことに関して、100%解説できる人は誰もいないと思います。

(*2013年11月4日追記: 今は集まるジンベイザメの数は、徐々に増えてきて10匹を下る日はほとんどありません。 だいたいですが、14匹~19匹と言うのが多いです。 この数字は現場で毎日ジンベイザメの生態調査をしている、多国籍・環境保護団体・“LAMAVE”の報告によります。)



不肖、私も、物心ついたころから海で遊び、自他共に認める海好きで、その後半世紀以上です。
海好きが高じ、縁あって、フィリピンのあちこちの海辺でスキューバダイビングを生業とし、17年ほど経過しています。

しかし私も、当然ですが、世界中の海を知っている訳でなく、むしろ、それどころか、目の前の海の事でさえ、判らないことも多いのです。

さて・・・・





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Q:がちがちの自然保護論者からは異論はある?


大いにありました(今もあります)。
そりゃ、そうですよね。
ワシントン条約で保護されている希少種、絶滅危惧種です。
世界最大の魚“謎の巨大魚・ジンベイザメ”です。
それを、事もあろうに『池の鯉?』同様に扱ってしまったのですから、快挙(怪挙?)です。

ロナルド・オスロブ町長が、自然保護団体や知識人の反対を押し切り強行し、ガルシア・セブ州知事が後押しして、始めました。

自然保護団体と言えども、金と権力で動き、何らかの利を求める組織です。
南極大陸周辺のクジラ漁禁止を例に挙げるまでもなく、活動目的には、本来の“保護”とは別の“ワケ”思惑もあると思います。






Q:(餌付けは)どのように始まったのでしょうか。



言われている話では、漁師が面白半分にエサをやったら食べた。
それが習慣的になり、自然とジンベイが集まるようになった。
これは、大筋のところで本当だろうと思います。

が、ここで言う『エサ』とは、主に動物性プランクトン(エビのような形をした、日本で釣り師がコマセに使うオキアミの小型版)やイワシ、アジなど小魚の稚魚(日本ではシラスと呼ぶような2~5センチ程度の魚)です。

これらは漁師にとっても“獲物”であり、生活のため仕事として漁っています。
その獲物を、漁師が気前よくジンベイに食べさせた、とは考えにくいです。







Q:ジンベイがもともと人に馴れやすいとすると、世界中で餌付けなんてことも、これはこれで、ちょっと問題であります。それでも、水槽の中の見世物にするよりは、はるかにましかと思っておりますが。


私は『鮫好き』のひとりですが、ジンベイザメも、他の鮫同様に美しい姿態と、優雅で機能的な泳ぎを身につけています。

一般のサメとの違いとして、ジンベイはいわゆるハンターではありません。
海面近くや水中の小さな生き物の群れを、海水ごとガバッと飲みこみ、エラで濾してエサだけを胃に取り込みます。
ハンターとしての泳ぎに必要な、急激な方向転換やギアチェンジは、ジンベイにはできません。
常時、時速2~3ノット程度のゆっくり泳ぎです。
ジンベイが網に捕獲され、死ぬまでの一部始終を見たことがありますが、そんな時でも人を威嚇したり、噛み付こうとしたり(歯が無いので無理ですが)大暴れすることはありませんでした。
我が身の『不慮の死』を、粛々と受け入れているようでした。

他の鮫のようなちょっと恐い目ではなく、草食動物的な丸い優しい目をしています。
そんなことから人に『慣れやすい』感はあります。




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わが町オスロブのジンベイ海岸では、午前中のみ餌付けしています。
船の鋭いスクリューは、ジンベイを簡単に傷つけます。
海面に船の進入を防ぐブイは張り巡らされていますが、水中に囲いはなくジンベイの出入りは自由です。
ですので、午後になればジンベイ達は散りますし、もともと近海のジンベイが全部来るわけではありません。


だるまおこぜ様の仰るように、捕まえられ水族館で飼い殺しにされるジンベイや、中国奥地から捕獲してきて、世界各国の動物園に億値で売り払われ、檻に入れて見せ物にされるパンダ達よりは、人道的というか、『自然保護』なのではないでしょうか。
(私見ですが。)






実は、フィリピンで“二匹目のドジョウ”を狙い、ジンベイを餌付けで集めようとしている所が幾つかあります。

あくまで伝聞で、私が其処に行き調べたわけではないのですが、どこも上手くいかないようです。



皆さん大きな勘違いをしています。

オスロブで、ジンベイの餌付けに成功し、莫大な観光収入を得ているからといって、真似することは難しいのです。

なぜなら、わが町・オスロブが成功した大きな理由は、



「もともとこのオスロブ沿岸には、1年中、数多くのジンベイザメが生息していたから」 です。




ジンベイの居ない海、ジンベイが少ない海で、いくらオキアミを撒いたところで、他の魚が集まるだけなのではないでしょうか。


自然の海でジンベイザメを人間が餌付けした、これはおそらく歴史的な1ページのはずですし、その結果、謎だらけの巨大魚の生態の解明にひと役かう事は、間違いないでしょう。

興味のある方はもちろん、それほどでもない方でも、一見の価値はあると思います。





ここで宣伝を入れるところが我ながらセコイのですが、その際には、宜しければ(↓)ご利用ください。

http://www.t2yukari.com/Jinbeitour.html

わが町の発展のため、オスロブの田舎娘達と私共日本人一家が、心よりお迎えいたします。





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 だるまおこぜ

 私はガラス張りの水槽に入れられた、大きな生き物を見るのはかなりの抵抗があります。 ましてや、学術研究の名目で飼育しているシャチのアトラクションなどはまっぴらであります。それに比べればオスロブのジンベイははるかに、目的も実態も健康的であります。一昨年?、館山の定置網に入ったジンベイを、網で囲んで金を取ってダイバーを入れ、、挙句水族館に売るなんて漁協がありました。かなしいはなしです。 どこでも餌付けに成功するわけでないことを知って安心しました。

by  だるまおこぜ (2013-04-22 21:14) 

yashinoki

だるまおこぜ様
コメントありがとうございます。
オスロブのジンベイは出入り自由ですし、動力船をシャットアウトしています。
他では船で追っかけ廻してジンベイを見るところがあります。
ジンベイのほうも『常連さん』もいれば、フラッとくる『流しのジンベイ』もいます。
常連には名前が付けられています。
話は変わりますが、飲食店で水槽で魚を飼い、注文を受け調理して出すところがありますよね。
あの環境も魚にとっては悪いし、味も99%むしろマズイくなると思うのですが、雰囲気で『ウマイ』と思ってしまうのでしょうね。
by yashinoki (2013-04-23 06:35) 

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