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富裕層の責任とは [世界]

若い頃、1971~73年まで(19歳~21歳)北欧のある国(サンタやムーミンで知られる)に住んでいました。

首都郊外の住宅の1部屋を、部屋代を払って借りていました。

家のオーナー(家主)は、30代で独身、職業『エコノミスト』。

彼は日本贔屓というか、当時、凄まじく経済が発展した日本に、強く興味を持っていたようでした。

得体の知れない日本人の私に部屋を貸したのも、彼の愛車が日本車だったのも、そのせいだったと思います。


ある日、オーナーと雑談していると、(オーナーが)『きょうスピード違反で捕まった』という話になって・・・

(たまに同乗させていただいたのですが、彼は結構、回す⁽=飛ばす⁾運転でした)

興味があった私は、「罰金はいくら払うんですか?」と聞くと・・・


『〇〇〇マルカ』


私:「エ~ッ、ずいぶん高いんですね!」

『(この国では)収入に応じて罰金の額が決まるので、私は、けっこう払わなければならないんだ』


私:「ハッ? 収入によって罰金額が決まるのですか?」


『合理的だと思うよ。もし誰でも同額の罰金なら、それは逆に不公平でしょ。』

『日本はどうなの?』


私:「例えば30キロオーバーで3万円の罰金だとすれば、収入に関係なく、億万長者も学生も3万円ですよ」

・・・・(内心は、「えっ、それはおかしい? のか?」)




『例えば、年収100万マルカの人にとっての〇〇〇マルカと、年収10万マルカの人の〇〇〇マルカは、ペナルティーとして考えれば、全然重さが違う、だろ 』

『同額では不公平だ』


『収入の多い人々とは、それなりの責任を伴う人たちだから、その責任を果たすべきで、それが公平というもんじゃないか』

『もっとも、捕まったのはハラは立つけど(笑)、金額に対して不満はないよ』





後でわかったのですが、私は給料の25%が税金でしたが、彼は収入のほぼ半分、税金に持っていかれていました。


民度が高い社会とは、富裕層による富の分配が『鍵』なのかも知れません。



バブル崩壊までは、総中流層社会だった日本ですが、ここ30年、2極化しつつあり格差社会が増長しています。

日本の富裕層には、『富裕層としての責任』を果たす覚悟がある人は、どれくらいいるのでしょうか。


昔から『カネは有るところに集まる』と云われます。



北欧のように、法で規制するのも一つの方法でしょう。

しかし、集めた金を綺麗に使うことにかけては、元から欧米の富裕層のほうが、日本のそれより1枚上手のような気がします。




老子曰く、『子孫に美田を残すな』です。

あの世に金銀を持って行くこともできません。

自分で使いきれない財産のある方は、どうぞ他者のために使ってください。


それでなくても物価が上がる年の瀬、今年はコロナの上にウクライナ戦争で、ずいぶん物価が上がりました。

政府は借金まみれで、諸外国に同調する利上げさえ、できません。

日本国がデフォルトしないのは、国民の預貯金のせいかもしれません。

ほぼ無利息でも、銀行にお金を預けている人々は、日本人以外いないかも。


ですが、困窮している国民は多いのです。

日本人は大人しいから、デモや暴動は起きないでしょう。



コロナ騒ぎや、記録的な円安でボロ儲けした企業は、決して少なくはありません ⁽皆様、黙っていますが)。

歴史上の戦争や大恐慌の際でさえ、そうだったのですから。



同じ人間じゃないですか。


是非、そのお金を貯めこまず、生かして(社会に戻して)戴ければと思います。

先ごろ政府が、”年収30億円以上の高額所得者に増税する”と案件を出しましたが、詳細を見ると税率が全く生ぬるいですね。

(資産じゃなく年収ですよ! 該当者300人前後らしいですが、私に言わせれば、法に触れない大ドロボーです)

年収30億も稼ぐためには、人並み以上の努力もされたでしょう。

才能があり、頭脳明晰なのでしょう。

しかし、死ぬほど努力した人が、全員年収30億になることはありません。

たまたま運が良かっただけ・・・・かもしれません。



年収100万の人でも30億の人も、生まれた時は無一物だったのです。

命も、身体も、ひとつずつです。

『宵越しのカネは持たない』とまでは言いませんが、カネはきれいに使いましょうや。



まぁ、逆さに振っても、鼻血も出ない貧困層の私としては、妬み半分でそんな風に思います。







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青い森のヨッチン

欧米の富裕層の中にはキリスト教の教義により富を貧しい人に分け与えるという考えを持っている人が多いと聞きます。
裕福の差によって罰金が異なるというのは確かに”罰”としては理にかなっているはずですが日本では逆に富裕層が不公平感を感じるというのは今の自分の富が努力のたまもので努力せず貧しい人と一緒にするな!的な思考が根強いのだと思います。
偉そうなことを書きましたが自分が富裕層になってもこんな考えでいられるかは自信がないです。

by 青い森のヨッチン (2022-12-25 17:41) 

yashinoki

青い森のヨッチン様、コメントを戴き有難うございます。
仰るとおりだと思います。
キリスト教でも、主にプロテスタント系の”The Salvation Army(救世軍)”が有名です。
冬の寒い時期に、宿泊施設や食べ物、衣料を困窮者にあげていました。
昔は東京でも見たことがあります(屋外で大鍋で調理し、希望者に与えるとか)。
今の日本にもあるかどうかは、分かりません。
記事にした、北欧の『収入で罰金額を決める』は調べたところ、今も同じでした。
私が払っていた25%の税金は、高いという認識はありませんでした。
何故なら、医療費も教育費も無料、定年後の年金も十分で、希望者は施設に無料で入れました。
私は、『外圧』により、就労ビザが取れなくなり、彼の国を離れました。
7時間労働、週休2日、夏休みは最低4週間などなど、法律で決まっていて、ずっと住んでいたかったのですが・・・
人生いろいろ、ですね。
by yashinoki (2022-12-25 19:06) 

タナカ

Yashinokiさん こんにちは
マニラでは、反骨のキリシタン大名
高山右近さんの、ニュースが流れてます
私の心の中で
Yashinokiさんが、重なりました

by タナカ (2022-12-26 09:00) 

yashinoki

タナカ様、コメントを戴き有難うございます。
戦国大名の高山右近は、確かルソンに行って間もなく、亡く(病没)なってますよね。
私は、恥ずかしながら日本に帰りました(笑)。
by yashinoki (2022-12-26 09:07) 

yashinoki

ところで、タナカ様。
マニラにお住まいですか?
比国を離れて7年くらいの私が知っている、マニラに住む日本人は、散々お世話になったお一人くらいしか思いつかないのですが、タナカ様はその方ですか?
間違えていたら、お詫びします。
by yashinoki (2022-12-26 11:13) 

扶侶夢

初めまして。私は1972年7月から73年4月頃までヘルシンキで働きながら暮らしていました。よく踊りにディスコに行っていたので、もしかしたら会ったことがあるかも知れませんね。
フィンランドの様々な社会システムには憧れるところがありましたが、でも罰金の事は知りませんでした。
by 扶侶夢 (2022-12-26 22:07) 

yashinoki

扶侶夢様、コメントを戴き有難うございます。
そうですか! 奇遇ですね!
時期からすると、インツーリストのモスクワ経由でHELSINKIに入って、バイトしてお金貯めて、春を待って旅に出た・・・ってことでしょうか。
私もディスコ行きましたよ~
最初の頃は、週4くらいで通っていたのですが、『モンディ』とかありましたよね。
さすがに1年くらいで飽きて、あとは週末の教会ディスコ、ダンスホール、ホテルのレストランやバーの行脚などして遊んでいました。
青春の思い出ですね。
『会ったことがある』どころか、顔見知りじゃないですか?
by yashinoki (2022-12-27 07:38) 

ハマコウ

交通違反の罰金の額がそのようなやり方なら多くの人に納得されるでしょうね。今まで知りませんでしたが、よい方法だと思いました。
by ハマコウ (2022-12-27 08:34) 

yashinoki

ハマコウ様、コメントを戴き有難うございます。
私が北欧にいた50年前に、そのような仕組みがありました。
今は日本の行政も、国民の所得をかなり把握しているから、可能な制度だと思うのですが、政治の汚染度のランキングが高い日本ですから、難しいでしょうね。
by yashinoki (2022-12-27 12:00) 

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