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フィリピン人は泳げない [フィリピン人]





「フィリピン人は泳げない人が多いんですよ。」

と私が云うと、お客様(日本人)はまず例外なく、『え~っ?』と意外な感情を表します。

いつものジンベイ海岸で、よくあるお客様との会話のひとつです。



私どもの住むセブ島オスロブの“ジンベイ海岸”では、せっかくジンベイを見に来ながら、海に入らない人が結構います。

小舟から見ているだけ(注:1)



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割合としては、(その日にも拠りますが)2~3割ていどのお客さんです。

(ご年配の方のごく一部を除き、日本人はほとんど海に入ってジンベイを見ます。)



彼ら彼女らは、国籍から言えば半数以上がフィリピン人です。





理由は、泳げないから、そして海が恐いから、さらには鮫が怖いから。

泳げなくてもライフジャケットを着けるので沈まないし、充分ジンベイを見れるのですが・・・

海を恐がる人が多い。

何故なら、この国の庶民は子供の頃から『どこそこで船が沈んで〇〇〇人が死んだ』と言う話をひっきりなしに聞かされて育ちます。

背の立たない海に入る→溺れる→死ぬ・・・と言う図式が刷り込まれているようです。

またそんな(沈没)とき、必ず『行方不明者=鮫に食われた話』が登場します。

ジンベイザメは他の鮫と違って、人に危害を加えない大人しい鮫という事が、理解できない人も多いようです。



更に、何故泳げないかと言うことです。

日本人にもカナヅチはいますが、比国人の場合は相当な割合の人が泳げません。

これは単純な理由です。

“経験がないから”です。

考えてみれば、日本の学校にはたいていプールがあって、夏場は毎年水泳の授業があります。

私はこの国に結構長く住んでいますが、プールのある小学校やハイスクールは見たことがありません。

だいいち、上手く泳げる人=コーチ が非常に少ないので、水泳を習う事自体が難関です。


でも『海に行けば泳げるだろう』と思うかもしれませんが、日本の50年(以上)前を思い出して(想像して)みて下さい。

例えば、『郷里から、集団就職で東京(や大阪)に出てきて、初めて海を見た』なんて話はよく聞きました。

同じように、この国でも海辺に住む人以外は、海に入ったことはない、海を見たことはない、なんて比国人が沢山いるのです。

ですから、泳げない比国人が多いのは当たり前なのです。


*海辺に住む漁師は、〈追い込み漁〉をするので泳げますが、競泳の泳ぎとは似ても似つかぬ、我流の効率の悪い泳ぎです。また最近は、都会のお金持ちは、スポーツクラブで習うこともあるようです。






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上の画像は、ジンベイ海岸に来たフィリピン人の若者グループです。

みんなで海に入りますが、背の立つ浅場までです。

そして何をするかといえば、ただ立って話したり、ふざけあって騒ぐばかりで、泳ぎまわろうという若者はいません。

これが、どこの海岸でも目にする、ごく一般的な光景です。

たまに、ちぐはぐな動きで5mほど泳ぐ?若者もいます。



今の日本はどうでしょうか。

ある子供たちはとりあえず?は、〈スイミングスクール〉に通う。

学校には、プールや体育館はあって当然で、誰一人、それを有り難がることもありません。

私事ですが、今から半世紀ちょい前、夏休みの〈臨海学校〉で千葉の岩井海岸へ行きました。

私自身は、父母のおかげで、幼少から海やプールで遊んでいましたが、そのとき、東京に住んでいながら、初めて海に入る級友が何人かいたことを記憶しています。

もちろんその子達は、はじめ海を恐がったし、泳ぐ以前にどうやって遊んだらよいのか分からない様子なのが、私にとっては可笑しかったでした。



ちょっと逸脱しますが、フィリピンの田舎で長いこと暮らしていますと、どうしても日本と比較してみたくなってきます。

上の話にも関連しますが、今の日本は、身の回りにありがたいもの(注2)が溢れすぎていて、それらの価値が分からなかったり、存在そのものが見えなくなっていることはありませんか。

それは例えば、災害に遭い、電気や水道が無くなって初めて有り難味が分かったように、一度無くしてみないと、気が付かないというレベルまで進行しているようです。


海に隔てられた日本列島で暮らしていれば、なかなか諸外国に目が向かないのは分かります。

しかし、ネットを使えば、世界の様子や情報が手に入る今の世の中です。

世界の諸事情にもう少し目を向け、振り返って、我が身や日本の事を考えたほうがいいのでは・・・・なんて、かなり生意気にも私は思います。



注1:小舟から見る=これは理に適っていることもあります。 何故なら水面や水面下より目線が高いのでジンベイの数などは舟から見たほうがよく分かるし、水中と違い、遠くのジンベイまで見れます。 またジンベイの餌を食べる様子や、体の美しい模様なども見やすいのです。




注2:ありがたいもの=ちょっと今、浮かぶものだけでも・・・捜査能力が高く、不正が少ない警察、医療保険、年金、公共施設の充実、レベルが高い無料義務教育、高度なインフラ、国民の仕事に対する意識や習熟度の高さ、人心の民度の高さ・・・・、北欧など一部の国と比較しますと劣る部分もあるでしょうが、どの分野でもアジアは無論、世界の上位なのではないでしょうか。







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