ロイヤー負傷 [犬]
1週間ほど前のこと、ウチの“名犬ロイヤー”が負傷した。
ロイヤーは、改めて言うまでもなく、“勇敢”“聡明”“勤勉”と3拍子そろった名犬であります。
フィリピン犬(フィリピンの混血の雑種犬)としては、とても珍しいタイプです。
ウチで生後50日くらいから6年間、かげひなたなく働いてもらい、もはや家族同然、T2チームの一員です。
そのロイヤーが、1週間前、ちょっとしくじりまして、怪我をしてしまいました。
朝5時前、まだ薄暗い時分でした。
そのとき私はジョグの前のストレッチをしていたのですが、ロイヤーがT2に忍び込んだ猫を追い掛け、右後ろ足の肉球の間をザックリ。
私がスタッフルームと塀の間に置いておいた、トタン板の端切れの山に猫が逃げ込み、その猫を仕留めた時に切りました。
(トタン板の端切れは、ナイフのように鋭利です。)
足から血をボタボタ流しながら、ロイヤーはいつもの“儀式”で侵入者を咥えて、クラブハウス横の芝地に運びました。
まるで、“任務完了”と云わんばかりの表情でした。
私がジョグしている間は、定位置のクラブハウス入り口に座っていましたが、私がジョグを終えて中に入ると、どこかへ行ってしまいました。
しばらくして敷地内を探すと、アチコチにロイヤーの血がダラダラと落ちています。
怪我しながらも、任務に熱心なロイヤーは恒例の“朝の哨戒”をしたようですが、それにしても血の色が・・・動脈血のような鮮紅色です。
これはマズイと思い、足を掴んで見てみると、パックリ裂けていて、みるみる血が溢れてきます。
肉球と肉球の間に、長さ2センチ、深さ1センチほどの切り傷です。
それから奥様Mとふたりで治療。
洗って消毒、まず血を止めるため、テープできつめに縛りました。
さすがロイヤー、痛いはずなのに治療中全く鳴かずに、大人しくしていました。
(この犬は本当に凄い・・・人間だったらウチの婿養子にしたいくらです。)
歩き回らないように首輪に鎖を付け、普段は入ろうとしない小屋に無理やり入れました。
朝夕の食事には、毎回、抗生物質を混ぜました。
包帯を取り替える時、4日間は血が流れてきましたが、一昨日から出血が止まり快方に向かっていることが分かりました。
まだ歩く時は3本足でケンケンですが、奥様Mとふたりでようやくホットしまして、このように記事にすることもできました。
上の画像は、昨日撮ったもので、もう血は止まっておりますので、バンデージはガーゼの包帯が外れない程度にしか巻いておりません。
怪我してから数日は、カメラを持つ余裕が無かったです。
余談ですが、フィリピン人スタッフは、ロイヤーの怪我など全く無頓着。
まぁ、田舎の貧困層は、たとえ飼い犬(当然放し飼い)が車に轢かれても、ほおって置くことが多いのです。
田舎では、犬を飼っている家が7~8割はあると思いますが、彼らが犬を撫でているシーンというのは、ほとんど見たことがありません。
『犬は犬』ということです。
(ペットとして犬を可愛がるというフィリピン人は、滅多にいない愛犬家か、ほんのひと握りのお金持ちだけだと私は思います。)
ウチの近所の彼らにとって犬とは・・・・
たまに餌をあげておけば、夜間、怪しい奴が来た時に吼(ほ)えてくれる。
今は食べてはいけないことになっているが、非常食になる。
勝手に増える。
その程度の認識ではないでしょうか。
しかし、私は思うのですが・・・・弱者である動植物を慈しみ、情を注ぐ・・・これもいわゆるひとつの民度とか貧困の程度の尺度になるのではないでしょうか。
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