フィリピンではアリです

ＷＢＣが熱いようです。
こちらでも、インターネットやケーブルＴＶで観戦可能です。
私は、現場の合間に5分ぐらいずつ、チョコチョコと観ております。


さて、その現場。
最近あちこち出来上がってきて、水道配管の仕事が続いております。
いろいろな配管パーツを組み合わせて、配管プランを練るのは私の仕事です。

段取りとしては、まず接続の継ぎ手やバルブ類をあらかじめ買っておきます。
水道管は、それぞれ測定し適当な長さにカットしたものを水道局に持って行き、ネジを切ってもらいます。
数日後、出来上がりを受け取り、現場で担当者のエリックに説明しながら組んでいきます。
配管の場合、私はハナから図面を書きません。
図面を引いても、図面が読めない彼らですので2度手間です。
或いはミスされて、3度手間になることもあります。
そういう愚痴っぽいことは止して、本題はこれからです。

日本の人には、ちょっと？？？じゃないかと思います。









これらは配管用の継ぎ手やバルブです。
私は、これらをセブ市の大型店をはしごして買い集めます。
大体、必要量の倍くらいを目安にして買います。


何故かと言いますと、不良品や低品質のオシャカ同然の物が混ざって売られているからです。
ネジの部分やパイプの肉厚が不均一ですので、組んでいると割れたり、テストするとピンホールがあり水が漏ったりします。
余程のことでもないと、返品は受け付けてもらえません。
いちいち交換に応じていたら、商品が商品ですから店が潰れるかもしれません。
こちらとしても、丸一日と車代をかけて再度セブ市に行く、というのも無理な話です。


あるとき、店の商品棚でバルブを選んでいると、ネジ部にひびのあるゲートバルブを見つけました。
もちろん私は買いませんが、知らないで買う人がいると可哀そうだから・・・ではなくてどう応答するか見たくて、店員に「これ、割れているよ。」と教えてあげました。
堂々と通路をふさいで同僚と喋っていた店員は、私からバルブを受け取ると、確かめもせずにもとの棚に放るように入れました。
予想通りの反応です。
私と店員は、目を合わせてお互いニタリッ、としました。
ここはフィリピン、日本とは違いますよ。


オスロブ町の水道局に委託する『ネジきり』もそうです。
20％くらいの割で、パイプにネジが少し斜めに切られています。
繋ぐと直線ではなく、『く』の字になります。





2本のパイプをユニオンで繋いでいます。
右のパイプのネジが斜めです。


1回で力まかせにネジをきるからです。
ダイスの番手などは眼中にありません。


そして現場、これも素人の域を出ておりません。
間違った思い込み、力まかせの作業。
しかも、その技術（？）に自信を持っていますから、始末に終えません。
ゴーインマイウェイです。
云う事をきかせるには苦労します。
現場でも当然ロスが出ます。
ミスしても反省しませんから、進歩はありません。

したがって、これが正解です。













水道配管は『壁の外』です。
カッコウつけて壁の中に配管すると、あとでひどい目に会います。
他のリゾートで何度も経験済みです。
詳しいことは言いませんが。


Ｔ２のあるラグンデは、田舎です。
フィリピンの労働者の質は、出稼ぎ者を頂点とし田舎者を底辺としています。
田舎でちょっと腕のいい人、頭が切れる人はとっととセブ市やマニラなどの大都会に働きにいきます。
とても運がよければ、力仕事で海外出稼ぎに行き、大金を家族に送金できます。
そして本当に優秀な人材は、欧米の大学に通いその国で就職します。
それぞれ、収入が段違いだからです。
その結果、フィリピンの地方には、底辺の労働者や何もしない人達がひしめき合っています。
他のアジア諸国が、それなりに進歩発展しているのに、フィリピンはいつまでたっても変われません。
近所の国を見渡しても、とっくの昔にタイに追い越され、インドネシアとベトナムの後塵を拝し、やがてミャンマーやカンボジアにも抜かれるかもしれません。

それでこそフィリピンです。
ある面では、それで良いと思います。
だいいちに国が発展すると、給料が上がり、物価が上がります。
そして、人々が、暮らしが、世知辛くなります。
拝金主義が横行します。
それに、考えてもみてください。
フィリピンの人たちが、みな優秀になり、礼儀正しく、勤勉になったら・・・
私フウテンおやじなど、まったく立つ瀬がありません。
存在価値ゼロです。
私としては、フィリピンは何百年でも何千年でも、今のままで結構でございます。