SSブログ

豚の丸焼き [フィリピン]




blog326-1.jpg


我が“T2ゆかり”では、4~5ヶ月に1回くらいの割りで豚の丸焼きを注文しています。
こちらで云う“レチョン・バブイ”です。
数日前にオスロブ町の肉屋サンに予約すると、ツブシたての焼きたてのアツアツを指定の日時に配達してくれます。
フィリピン料理では最高級のご馳走であり、結婚式などには欠かせません。
大きさにより値段は違いますが、写真のサイズで、棟梁エンボイの半月分の給料と同じです。
ラグンデのような田舎では都会よりは安価です。
お客様が見えるとか、村のフィエスタ(お祭り)だとか、何かの折りあれば心優しい奥様Mがスタッフのために買って振舞っています。
私などは、『ホドホドにしとけば~?』といつも思うのですが、元来が奥様あっての私ですから、強くは言いません。
それとうちの連中は確かに腕は悪いですが、フィリピンの田舎という環境を鑑みれば実際良くやっているし、マアたまにはいいかな~、とお任せしてしまいます。

庶民はめったなことでは食べれないわけですから、職人どもは、レチョンバブイの配達を目にすると、全員がとてつもなく幸せそうな顔になります。
スタッフが喜べば私も嬉しいのですが、仕事中であるにも拘わらず、ウキウキして地に足が着かず、おかしな行動にはしったりミスが増えますので、配達はギリギリの午後3時頃で頼みます。

5時、仕事が終わります。
トゥバ(やし酒)とビール、ディヌグーアン(豚の内臓と血の料理)、魚のBBQ(バーべキュー)やフィリピン焼きそばなどを振る舞い、抽選で全員にプレゼントを渡し、家族のためにと豚の丸焼きのおすそ分けを上げます。

奥様Mとしては、普段の労をねぎらい感謝の意を表して、もともと忙しいのに、さらにセカセカとまめにプレゼントの準備などしております。
当然スタッフは、満面の笑みで帰路につきますが、ただそれだけのことです。
この国ではお返しや見返りは、期待してはいけませんし、期待できません。
仏教で言う“喜捨”の感覚です。
『お釈迦様の化身である空腹の虎に、ウサギが喜んでその身を投げ出した・・・』というあんな感じです。
実際のところ、日本のように『御恩』とか『義理人情』などのメンタリティーは、持ち合わせていない人達です。
『金や物の有る人達が、無い人に分けるのは当然のことだろう・・・自分達は貧しいんだから。』と思う人が多いのが実情です。
理不尽なようですが、たいていの人は同じ立場になれば、同じように考えるでしょう。
私は良く知りませんが、お相撲さんにご祝儀で金品を差し出すと、『ごっつあんです』のひと言で受け取り、何事も無かったような顔をしているといいますが、そんな感じかもしれません。
お相撲さんと貧しい彼らとは境遇がかなり違いますが、『せっかくだから貰っとくけど、それだけだよ。』みたいな感覚は似ているのではないでしょうか。

以前はよく日本人男性が、フィリピンなどの外国人女性に大金を貢いだ挙句、騙されたとか捨てられたと云う事件を耳にしました。
これらのケースも、『自分はあれだけのことをしてあげたのに・・・・』の、・・・(点々点)の部分に「だからこれだけのことをして欲しい。」という気持ちがあるのが原因の一部だと思います。
それは日本人には通用しますが、他国ではちょっと無理があるかなと思います。

私は奥様Mに、
「この国の人に食べ物や金品をいくらあげても、見返りを期待してはいけないぞヨ。ドブに棄てたと思うのじゃ。」
さらに、
「そうしないと、その気持ちが元で、相手を見下したり、相手の対応を不満に思いトラブルのきっかけになったりするから。」
とたまに念を押しています。

マア奥様Mもこの国に長いですから、当然、分かってはいると思いますが。

『持てる者』と『持てない者』。
民族のほとんどが自分は中流と思っていた日本人も、はやその意識は崩壊したようです。
今このラグンデ村では、フウテン一家は『持てる者』と思われているようです。
しかし、本当にそうかは、私には分かりません。

フィリピンも他のアジア諸国のように階級社会です。
ハウスメイドさんやボーイ君との接し方、問題対処の方法、これが一般の日本人は苦手です。
『持てる者』が『持てない者』とどういう風に付き合ったらよいのか、或いは逆に『持てない者』が『持てる者』とどのように共存するか、日本に居れば必要ない余計な神経を使います。





nice!(2)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 2

コメント 2

打ち首獄門

今週と来週に掛けて、下記のイベントが開催されます。

ダイビングフェステバル3月27・28・29日東京ビックサイト
http://www.scuba.or.jp/df2009/
マリンダイビングフェア4月3・4・5日サンシャインシティ
http://marinediving.com/mdf/
by 打ち首獄門 (2009-03-23 18:06) 

yashinoki

打ち首獄門様、こんにちは。
奥様Mと私の本業を思い出させてくれてありがとうございます。
そうなんですよ。
T2もそろそろダイビングのことを考えないといけません。
打ち首獄門様が、日本から船でT2に来て、飛行機で帰るというのはいかがでしょうか?
出来ればタンクなども一杯積んできていただいて。
by yashinoki (2009-03-24 06:49) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント

トラックバック 0

フィリピンではアリです魚の英語名 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。