冥土の石段 [運動]
神社にある鐘楼(借り物画像です)。
私のジョグのコースから少し外れたところに、古い神社があります。
田園の中の、木の茂ったこんもりとした地形の上にあります。
近所の住人がたまに参拝するだけの、ひなびた神社です。
されど、文明11年(1479年)=室町時代!の創建と伝えられ、本殿・幣殿・拝殿そして鐘楼の様式が大したものです。
惜しむらくは、予算不足なのか、唐破風や彫刻飾りが朽ちかけていて、少々哀愁を誘います。
今の日本じゃよくある話でしょうが、勿体ないです。
(統一教会なみの、”商魂”でもあれば・・・)
私が個人的に注目したのは、参道の石段です。
(これも借り物画像です)
その石段は、切り出した安山岩を積んだものなのですが、かなり急です。
(画像は、道路の反対側の離れた場所から撮っています。石段の下からだと、急すぎて顎を出して見上げないと、上は見えません)
石段の蹴上と踏面がほぼ同じ、27センチ前後なのです。
つまり簡単に言うと、斜度45度!!!
ゲレンデスキーの上級者コースでも30度くらいですから、この石段は、上から見ると『崖』のようです。
58段あります。
(この神社には、裏側に、回り込んで徒歩や車で行ける道があるので、現在は石段を登って参拝する人は、ほとんどいないと私は推察しています)
境内の高札によれば、初期の石段は崩落し、天保3年(1832年)に信者の寄付を集め、再築されたとあります。
今で言う『クラウドファンディング』です。
作った二人の石工の名前も残っています。
天保3年とは、約200年前です。
当時、江戸時代の日本人は、現代人より足腰が強かったのだと想像されます。
日常にしても旅にしても、移動手段は徒歩メインだったから、当然でしょう。
最近、私は、ジョグの途中でこの石段を上り下りします。
年中、ヨタヨタとジョグしているだけでは、年相応に、大腿四頭筋と大殿筋が弱っていくからです。
この石段の難易度と怖さを高度にしているのは、踏み面⁽踏み代⁾の狭さです。
昔の日本人は、今より背も低く足も小さかったと想像されます。
履物も違います。
私は27センチのジョギングシューズを履いています。
27センチのシューズは、外寸サイズだと長さ29センチほどあります。
石段の踏み面より長いのです。
登る時は、踵⁽かかと⁾が石段からはみ出ても、別に差し障りはありません。
足元を見て登らなくても、目の前50センチぐらいのところに、4段上の石段が見えています(笑)。
ところが降りるときは、つま先が石段からはみ出ると、踏ん張れないので、危険極まりないのです。
足先は崖のような視界ですから、見れば、かえって怖くなります。
(おまけに、200年前の石段ですから、ところどころ、角が欠けています)
全くもってみっともない話ですが、私は、つま先を思い切り逆八の字に開いて、ガニ股で、靴底が全部石段に乗るようにして、さらに金属の手すりに片手で掴まりながら、緊張して降りています。
上の画像のように、石段の中央に金属の手すりが設置されていますが、江戸時代は金属パイプの手すりなど、存在しません。
恐るべし、昔の日本人です。
現代人のお年寄りが、手すりに頼らず、この石段を下ることは自殺行為でしょう。
斜度45度の石段です。
死亡率10%?、それ以上かも・・・・
私は、”冥土の石段” と命名しました。
私の目標は・・・
【10往復】
登る時は、速足で30秒以内
降りる時は、手すりに摑まらず、落ちず、死なずに降りる
来春に満71歳になります。
きのう測ったら、上るのに40秒かかりました。
厳しい目標ですが、宇賀魂命(ウガノミタマノミコト)=この神社の祭神、のご加護を賜ればできるはずです。
ゴマを摺るように、毎回、石段昇降の後、ウガノミタマノミコトに祈念しています。
無理をなさらずに日本での時間をお楽しみください。
by JUNKO (2022-12-21 21:26)
JUNKO様、コメントを戴き有難うございます。
私にとっては、スロージョグは、現在の唯一の”楽しみ”なんです。
雨とかで間が空くと、ストレスたまり、体調も悪くなります。
ただ最近は、たまにウオーキングの人にも追い越されたりするので、一念奮起しての、階段上りです。
下るときは怖いですが、十分気をつけます。
by yashinoki (2022-12-22 08:19)