子犬たちとお別れ―② [犬]
前回
http://t2mary.blog.so-net.ne.jp/2014-06-13
の続きです。
生後10日?くらいの時、まだ目が開いていません。
母犬パフは、一日に何回も母乳を与え、子犬たちの身体を隅々まで舐めて、きれいにします。
さて、4匹の子犬たちの貰われ先ですが・・・・・
・まず、2匹の雌犬、(白犬、白と薄茶のブチ)が、旅立ちました。
前回の子犬たちのときは、雌犬は人気が無くて、貰い手が見つからなかったのですが、今回はいきなり2匹、貰われてしまいました。
行き先は、道路の反対側の山のほうの家。
ウチのスタッフRの親戚だそうですが、『何匹でもいい!』とか云っていたそうで、(少し育ててから、食べられちゃうのかな~??)と心配してます。
赤い首輪の2匹がメス、薄茶がオスのモカ、ブルーの首輪のブチが一番強く大きいホルスタイン
・次は薄茶のオスが旅立ちました。
オスロブ町の食堂経営のオーナーが『大の犬好き!』という噂で、ちょっと晩生(おくて)で大人しいオス(モカ色)を貰ってくれました。
実はこのオーナーには、しばらく前に、ロイヤーとパフの最初の子供たちでウチに残っていた最後の一匹、『大食い&早食いチャンピオンのシロスケ』も欲しがっていたのであげました。
大食いのためか、6ヶ月でロイヤーよりもパフよりも大きくなっていた、シロスケ。
そのシロスケが、軽トラで連れて行かれる時、生まれて初めてT2の敷地外に出て、(親兄弟と別れさせられる~)と悟ったのでしょう。
T2であれだけ毎日、のびのびと走り回り遊んでいたシロスケが、この時は口をぐっと結んで、鳴きもせず、小刻みに身体を震わせていたのが、哀れでした。
心中、(俺は60過ぎて、何て事をしてるんだ)と、心がたいそう傷みました。
そのうち、食堂のアドボ(肉料理)になっちゃうのかと心配したのですが、今はそのオヤジが前から飼っていた犬と、仲良く遊んでいると聞きました。
そして、今回の2匹目の雄の子犬。
噂によれば、何処に行くにも抱っこして、連れて歩いているそうです。
〈食堂のごついオヤジと子犬〉想像するとかなりアンバランスな組み合わせですが、本当に犬好きのようで安心しました。
・そして最後のオスの子犬(ブルーの首輪)。
実は、この子犬は残したかったのです。
がっちりした体格、子犬ながら夜間見回りする、知らない人には姿勢を低くして吼えるその格好が、子供の頃のロイヤーに似ている。
ロイヤー並みかどうかは判りませんが、頭も良さそう。
でも、ウチに出入りしているマッサージのおばちゃんが欲しいというので、あげてしまいました。
4匹の子犬が居なくなり、途端に静かになって、なんとも云えない気分です。
それぞれの子犬にとって、ウチにいるよりもずっと厳しい環境、というより、弱肉強食の競争世界に入って行ったのです。
ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、フィリピンでは、多くの飼い犬は野良犬のような暮らしを強いられています。
田舎では、ほとんどが放し飼いです。
泥水や不衛生な溜まり水を啜り、餌は充分に与えられない。
車に轢かれたり、様々な病気に感染して死んでしまうことも多いです。
犬を食べるという習慣は、表向きはないのですが、私は現実は違うことを知っています。
そんなこの国のナンダカンダを知っている私が、「犬が可愛い」と言っておきながら、その可愛い子犬を手放す。
全く矛盾しています。
そんな葛藤がありましたので、以前記事にしたようにロイヤーを、涙を呑んで去勢しました。
話し変わりますが、日本の保健所では毎年20万匹の犬猫が〈殺処分〉されているそうです。
ただ最近明るい話題もありまして、〈殺処分ゼロ〉を目指す自治体が増えているそうです。
効果的な方法の一つは、犬を保健所につれてきた飼い主に〈殺処分〉の映像を見せるのだそうです。
すると、飼い主の何割かはまた連れて帰るとか・・・。
死刑囚が処刑されるのは、現法の下ではやむを得ないのですが、犬は何も悪いことはしていない。
人間のご都合だけで、何10万頭の犬猫の生命をただ機械的に絶つのは、やはりマズイ、文明人のすることではないと思います。
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