クズ木材で作るTシャツ用ショーケース―① [手作り]
日本には無い『ココランバー』、つまりココヤシの木の材木は、値段の安さから、フィリピンでは何かと結構多用されます。
しかし、日本人が、こいつを上手く使いこなせるようになるには、ちょっと経験が必要だと思います。
何故なら、一本のヤシの木でも、部位部位で性質がえらい違う。
1例として、木のてっ辺から5mくらいは、使いものにならない←これ常識。
切り倒してチェーンソーで製材し、すぐ配達することが多く、そういう部位でも生木ですから、そこそこの重さがあるが、乾燥させると非常に軽くなる・・・つまり密度がないため、強度がなく構造材としては、用途がない。
しかも、柔らかい上に甘い樹液を多く含むので、虫が食いやすい、腐りやすい。
配達された時、目を利かせ、弾力性や肌合いを検分して、駄目なのは遠慮なく返品(=受け取らない)のが“ローカルルール”です。
この検品を、自分でしないといけません。
使用人(大工)に任せれば、彼らは自分の懐は痛まないので、何でも受け取ってしまう。
私はどしどしダメ出しして返品していますが、何せ、私もお人好しの日本人ですから、4回に1回くらいは、使えないクズと判っていても、わざと受け取ることにしている。
そうしないと、『あそこの日本人はウルサイ・・・』だの何だの言われ、(なんせよそ者ですから)仕舞いには変に恨まれるのも困る・・・なんて、考えちゃうんですね。
そういうクズ材も、捨てるのは忍びないので、雨の当たらない日陰に置き、1年ほど乾燥させてみました。
サイズは、〈4×3×8〉=4インチ×3インチ×8フィート(=約7.5センチ×10センチ×240センチ)
数は4本。
仮にこれが、老木の下部の方、かつ樹皮に近いほうの部位(一番密度が高く、硬く重い)であれば、1本20キロほどの重さとなり立派なヤシ材木です。
例えば日本の軟弱な若者に担がせれば、腰砕けになるほどの材木です。
ところが、くだんの材木は乾燥し、3本指でかるく持ち上げられるほどになっていました。
おそらく重さは1/10、約2キロほどでしょう。
私は、(まるで発泡スチロールのようだ)と感じました。
指の爪でえぐれる木。
(表面をサンダーでサッと削ったところです。)
これは『木』とは呼べない。
これが何に使える?
何日もあいて、ヒラメキました。
いつか何かで見た、アメリカのどこかにあるというヴェニスを模倣したホテル?のデコレーション、うまく塗装したペイントの下、素材は・・・・
これが、発泡スチロール!なんだと。
利点は、加工が簡単だから工期が短いし、軽い・・・・そんなとこでしょうか。
モノは使いようなんです。
だったら、私もこの“木”で何か作れるに違いない。
そう云えば、奥様Mが『販売用Tシャツのケースが欲しい!』とうるさかった。
よし!
だったら、やってやろうじゃない。
(続く・・・・)
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