3月のカレンダー・きずな [フィリピン人]
3月に入りましたので、ワークショップのフィリピンカレンダー、3月分をチェックしてみましょう。
若者が3人、牛の糞がたくさんありそうな原っぱで、布を敷いて寝転がっています。
傍らのバスケットには、お決まりのこのパン屋さんのパンが置いてありますね。
決め文句は“Bonding Moment”、“きずなのとき”とでも訳しましょうか。
(“bond”の意味↓)
http://ejje.weblio.jp/content/bond
“bond”にもいろいろ意味がありますが、この場合『きずな』と製作者の意図を汲んで訳すより、[束縛する、拘束する、接着する、結合する]のほうが適切?なんて、たいして英語も出来ない私ですが思います。
暑いところでわざわざ引っ付いて、飲み物もなしにパンをかじると、『きずな』なんですね。
牛やヤギの糞はもちろん、赤アリとか破傷風菌とか怖くないのでしょうか。
一緒に赤アリや毒ムカデに刺されて、共に痛たさ痒さを分かち合って『きずな』ですか。
たしかに、この国の人達は、何て言いましたっけ・・・・よく言う・・あの身体と身体の距離感覚のこと。
30センチ以内なら恋人とか、45センチなら親しい友人だとか、嫌いな人は1m以上とかあるアレ。
あの距離感覚が、我々とは違います。
他人でも近いんです。
なんか、やたら馴れ馴れしいというか、キモチワルイ(相手次第ですが)というか、近すぎるんですね。
ジプニーとかバスで他人と隣りあわせで、ナマ足同士、ナマ肩同士が<ブチャ~>とか引っ付いても、気にしない人が多いです。
思うんですけど、“きずな”というのは、心と心、気持ちと気持ちが通じ合うとか、特に苦難を共有し乗り越えた時に“きずな=人と人との強い結びつき”を感じるというのが普通のような気がします。
でもフィリピン人の“きずなの原点”は100%?家族なんですね。
しかも自分の家族だけに限られます。
狭い床に、イワシの缶詰めのように、親兄弟が重なり合うようにして寝起きした。
全てといっては大げさですが、フィリピン人の特性の多くは、その一般的フィリピン人に共通する『家族ざこ寝』という“幼少期の原体験”からスタートしている―――かなり乱暴な論理ですが―――のかもしれません。
Family・・・・・
良くも悪くも家族第一。
最近の日本には不足気味の、フィリピンには過剰気味の“家族のきずな”ってヤツでしょうか。
“きずな”ということで想えば、計らずも、東日本大震災1周年の3月のカレンダーでした。
被災され、無念にも亡くなった方々のご冥福を改めてお祈りし、残された方々の奮闘努力に心よりのエールをお送りいたします。
パーソナルスペースですね
確かにおかしい
by ぷらぴー (2012-03-09 06:38)
ぶらぴー様
コメントありがとうございます。
マルティキャブ(軽の乗り合い)などでも、だんだん空いてきても、平気で、そのままビタ~っとくっ付いている人も多いですよ。
日本では、通勤電車なんかでも、やむを得ずくっ付く場合がありますが、空いてきたら、ゆったり座れるほうに普通は移動しますよね。
by yashinoki (2012-03-09 11:55)
bonding momentを調べていて、こちらに辿りつきました。
言葉で意味は理解していたのですが、こうやって画があるとよりイメージがつかみやすいですね。
カナダ人の方にお聞きしたら、やはりこの言葉は家族以外にはあまり使わないとおっしゃっていました。友人に使ってしまうと、余りにも距離が近すぎることになり、不自然になってしまうとのこと。
国によっての許せる距離感の違いも興味深く読ませていただきました。
by ETCマンツーマン英会話 (2013-08-22 16:29)