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手造り:ニームの木の灰皿-④ 喫煙は文化 [手作り]



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ニームの木の灰皿作りも、最終工程の〈ニス塗り〉に入って今日で7日目です。

上下と周囲を塗りますので、1回で全体を塗る事はできません。

そこそこ重みもある小物ですので、吊るし塗りするのも難儀です。

私のような素人ですと片面塗って、乾いたらひっくり返してまた片面塗る繰り返しか、片面だけを例えば10回塗り続けて、ひっくり返してもう片面を同じようにするしかないようです。

後者の方法でやっています。


いったい、〈ペンキ塗り〉と言う作業は、巧くやろうとするとかなり習熟度を要する作業です。

とくにニス系の透明な塗料は、上手・下手がはっきり出ると思います。

ダラダラと、ここで能書きを垂れても仕方ないので止めますが、なかなか自分で満足いくレベルまで行かず、ストレスが溜まります。

自分ではそうは思わないのですが、よく人から〈完全主義者〉と皮肉られます。

ま、細かい事は確かでしょう。




ところで、人類がタバコを嗜(たしな)むようになって2千年以上、日本人にかぎっても5.6百年の歴史があります。

ところが、ここ40年くらいの事でしょうが、喫煙者が矢面に立たされています。

(喫煙の害そのものは、100年以上前から議論されているようです。)

欧米先進国や日本の一部では、タバコ吸いは大袈裟に言えば《人間のクズ》扱い、全人格まで否定されそうな時代の潮流です。

私は現在喫煙者(スポーツ競技のため以前10年ほど止めていましたが、15年位前に再開しました)ですが、タバコの害は、重々承知しております。

しかし、当分やめる気はありません。

他の幾つかの事と同様、『男の嗜(たしな)み』だと位置づけています。


そういえば、40年ほど前のことですが、パイプを収集していた事があります。

その造型の美しさに魅せられ集め始め、もちろん愛用もしました。

一時は20本ほどのコレクションを壁に飾りましたが、現在はお気に入りの1本だけ残し手元に置いています。

日本や東南アジアの空気はパイプには向きません(←私見です)ので、今は使ってはいません。


喫煙の道具としては、日本の〈煙草盆〉や〈煙管〉にも、たいへん品や姿の良い工芸品が多くあります。




少し前に『不倫は文化だ』と言った人がいますが、私は「喫煙は文化だ」と声を大にして言いたい。

もっと正確に言えば、

「喫煙は文化だった」

でしょうか。


ひとつの消えつつある文化の弔(とむら)いとして、この《ニームの木の灰皿作り》最後まで、やります。

いや~ぁ、話しがデカくなりました。









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手造り:ニームの木の灰皿-③ [手作り]



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もう始めて2週間以上になりますが、奥様Mからのミッション―――〈販売用の灰皿を作れ!〉―――により、細かな空き時間を見つけては、作業に取り組んでおります。

ここ最近は、ず~っと“ヤスリ掛け”。

だいたい2時間ほどやると、指が痛くなるので連続してできるのはせいぜい3時間です。

〈紙やすり〉で、辛抱強く研磨します。

単調な作業ですが、〈仕上げ〉ですので気は抜けません。

♯60から始め、♯80、♯120番で、お終いです。

(番号(番手)はサンドペーパーの目の細かさで、数字が大きくなるほど細かくなります。)

機械では出来ないというか、そもそもウチには機械がありません。

私は給料なし(厳密に言えば丁稚?隠居?みたいなもので、酒・タバコ&食事が給料か?)ですので、時間給はゼロみたいなものですし、人に頼めば私が仕上がりに不満足しますので、全部私の仕事です。



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ところで、〈紙やすり〉。

たかが〈紙やすり〉ですが、値段も性能もピンキリです。


またフィリピンで手に入る品は、限られています。

あくまでも『フィリピン・レベル』なのかも知れませんが、下の画像の〈紙やすり〉は大変スグレモノです。




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よく切れるし、耐久性が素晴らしい。

他のブランドとは段違いです。

“made in Switzerland”


スイス人、イ~イ仕事しますね。








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手造り:ニームの木の灰皿-② [手作り]

ニームの灰皿を作り始めて、かれこれ1週間以上経ちましたか・・・。



日付けが変わるごとに、何時間かは作業に費やしています。

そうしてつらつら思うに、奥様Mの甘言というか、煽(おだ)てに乗せられたような気が段々してまいりました。

“豚も煽てりゃ、木に登る”ってことでしょうかね。

所詮(しょせん)、私は奥様Mと言う“観音様?”の手のひらでしか動けない、小者なのでしょうか?

更に熟考してみれば、思い当たる事もあります。

その数日前に奥様Mが所要でセブ市に言った折、日本酒4升を買ってきたのです。

酒飲みは酒に弱いのです。



喩えて云うなら、1万円よりも、断然、“1万円で買える酒”のほうに価値を認めてしまうのであります。


分かりますか?・・・最近のガキンチョには、わっからないでしょうね~。



ま、結論を言えば、その酒に釣られて気を良くして、そういう時は、何でも「イエス!」なんですなぁ。

“敵も然(さ)る者”であります。







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今回は一気に12作。

なにせ道具が原始的ですから、マメができたり、手の皮がずれたり、右手が震えたり(アル中だからではありません、筋肉痛です)と、結構楽しい?今日この頃でございます。

単調でありながら注意力を必要とする作業は、私は嫌(いや)ですが、嫌(きら)いと言うわけでもありません。

例えばランニング・・・

ただ両足を交互に前に運ぶだけの運動ですが、馴染めば、とても奥が深いし、精神を解放できると云うか、気分が良いです。

自分の与(あずか)り知らぬところで、身体と心が苦痛に耐えながらも、『快哉』を叫んでいるような気がするのがランニングです。




さて、今までずいぶんお客様の灰皿を手造りしたと前に書きましたが、私も日本人の端くれです。

それなりに、徐々に進歩いたしております。



そのひとつを以下に書きます。

『灰壺?』と言うのか、何と言うのかわかりませんが、要は吸殻の入るところです。

最初の頃の作品では、デコボコでいかにも不恰好でした。

それは木をくり抜く工程で、近ごろの工具も道具も無いためでして、如何ともし難いのでありました。

考えようによっては、そのことはワイルドな雰囲気を醸し出し、縄文式土器のように、それはそれで『味』というか『凄み』とも言えなくはなかったのですが・・・・。


3年ほど前に、ひと工夫考えまして、今回のシリーズもその方式を使っております。




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指の下=①ニームの木を切った時の切粉を網戸で濾したもの。


その左、②作成中の灰皿、くり抜いた穴は仕上げができずにザツ。


その左=③切粉を接着剤と混ぜたもの。





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③を指で、灰皿の中に塗りこめていきます。



そうすると・・・




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内面の見た目が芳しくなりまして、同時に、適度なザラザラがタバコを消しやすくします。





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今回は、更に濃い色のウッドステインを塗って、使用中の汚れを目立たなくしておきました。


素材自体は木の切粉ですので燃えやすいのですが、接着剤で固めてあるし、仕上げでニスを10数回重ね塗りしますから、焦げたり燃える心配はありません。


今後も、私の作業工程は、延々と続きます。






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手造り:ニームの木の灰皿-① [手作り]

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お客様に使っていただいている灰皿が、評判が良いらしい。

ウチは“ほとんど手作り”がコンセプトですので、灰皿程度は当然、手作りです。

“下手の横好き”というヤツでしょうが、小さい頃から『何か作る』のが好きです。


画像の灰皿は最近の作ですが、たぶん今まで、T2で30個ほど作りました。

材料の木は、廃材とかたまたま手に入った間伐材、最近は主に『マホガニー』か『ニーム』を使っています。

まぁ、気の向いた時に創作意欲?にまかせて、ノンビリと作っていました。

ウチあたりは、奥様Mと私と村娘の『3ちゃんリゾート』でして、お客様が途切れることはよくあります。

そういう時も、それなりに実はする事が沢山あるのですが、常に何かしていないと落ち着かない貧乏性の私でして、その為の『創作活動』でもあります。




ところが、このほど奥様Mから“指令”が出ました。

『灰皿を欲しい、というお客さんが多いから、〈お土産用=販売用〉で作って!』

だって。


奥様Mのひと言は、私にとって、天皇陛下の“勅旨”と同等の重みがあります。


早速、軒下で2年間乾燥させたニームの木を、「お前の出番が来た!」とばかりに、引き出しました。

2年前に、敷地内のニームの木を思い切り剪定した時、取って置いたものです。

街路樹のマホガニーの間伐材は、全部虫が付いて腐ってしまいましたので(本心を云えば、ニームは硬く加工が大変で)ニームは気が進まないのですがノーチョイスです。



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枝なのにさすが〈ニーム〉、とても硬く、これだけ切るのに1日1時間程度の作業で3日かかり、ノコの目が鈍(なま)り、手にマメができました。




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ニームの木は、ネジのように回転?しながら育つ?




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現在のウチの〈ニームの木〉の姿。
2年前、丸裸同然にしたのですが、またずいぶん小枝が伸びてきました。



今回使う材料のリムの枝は、樹齢5~9年の部分です。

木質としては、硬く強い木で、太い幹の場合、中心部はカツオ節色になります。

そして、ドリルやノミの刃が折れるほどの硬さ(私の安物工具のせいもありますが、以前、体験して懲りました)を持っています。

そのためか当地では、あまり加工せず、丸ごと、よくネイティブハウスの柱として使います。

芯が硬いので、シロアリや虫も敬遠するのでしょう。



ただし、ニームの木に関しては情報が少なく、私も材木屋ではありません。

まして、“ツムブリ”を『サーモン』と言い張り、“ねむの木”を皆が揃って『アカシヤ』と断定するフィリピンのことです。



《ニームの木の灰皿》、完成まではあと3週間ほど掛かります。









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