フィリピン出稼ぎメイド悲話 [フィリピン人]
以前うちにいた女性スタッフＡの話です。
田舎の普通の家庭（つまり貧困層）の主婦です。
2年前にウチを辞めて、サウジアラビアにハウスメイドとして出稼ぎに行きました。
はじめの半年くらいは、ブローカーへの借金返しで仕送りできません。
行くためのパスポート取得費用や、マニラでの研修教育の費用がぜんぶ借金（それが普通）で、給料からまずそれらを返さないといけません。
行った先は、フィリピン人メイドだけでも20人居ると云うサウジのサルタン家系の家庭で2年契約です。
彼女の担当はその家の娘（王妃？）で、仕事は長いけど厳しくはなく、アラブでよくある『使用人虐待』とかもなかったそうです。
寝場所や食事は無論タダですが、中近東メイドは欧米諸国のメイドより給料が安いのが玉に瑕(きず)です。
斡旋したブローカー（会社）が、その後の給料までピンハネ（よくあります）していたかどうかは分かりません。
フィリピン人女性の海外就労メイドが何万人いるか、詳しい数字は覚えがないですが、とにかく海外出稼ぎだけで成り立っている国ですから、１０万人ではきかないはずです。
彼女達の目的は当然ファミリーのサポートです。
たいていの女性が、収入のほとんどをフィリピンの家族に送金します。
さてこの元スタッフＡのケースですが、給料をぜんぶ夫に送金。
夫はそのお金を生活費、家の建築費、子供（10歳ひとり）の教育費、貯蓄などに手当てする事になっていました。
とまぁ、ここまで書けば在比の長い方でしたら、先は見当が付きますね。
そうです、そのパターンです。
・・・・つまり、妻の稼ぎが入ってくるようになると、夫は一切の仕事をしなくなり、子供はほったらかし、朝から酒飲んで、挙句の果てに近所に愛人までつくった。
家はボロ屋のまま、貯金どころか、むしろＡの稼ぎを当てにした借金まである。
この国の、典型的な庶民(＝貧困層)の男の性(さが)です。
家も貯金も少しもできず、近所の噂話だけが盛り上がる。
しかし誰も、ダンナとそのファミリーの仕返しが面倒だし、Ａが可哀想でＡに伝えるのをためらう。
人のことには関知しないという『変な個人主義』のせいもあります。
当人Ａは先月2年の契約を終えて一時帰国したのですが、風の噂どおりの状況に、休暇を終えて時点でサウジに戻るべきか、今現在悩んでいます。
要は・・・・・・
旦那がそういう（ごく普通の）フィリピン人男子ですから、サウジでメイドして稼ぐお金が、ファミリーと離れて暮らす事に見合うかどうかって事ですね。
（注：誤解されないようにいつも書きますが、この旦那のようなどうしようもない―――我々日本人の眼からすればですが―――フィリピン人男子が100%と言うわけではありません。大多数というだけです。稀にマジメな男も存在しますよ。）
現在ウチでアルバイト中のご本人です。
うちのかみさんの弟もサウジアラビアに２度目の出稼ぎ中ですが
１度目の出稼ぎから帰ってきた時は、かみさんが建ててやった店舗兼住居を修理いないといけないとか言ってましたが
２度目の出稼ぎの時はまた金を貸してくれとかホザいていて、かみさんが激怒していましたね。
何とか金は工面して行ったみたいですが、また帰ってきたら奥さんが娘の学費とかを借金をしまくっていると想像します。 笑い！
かみさんの長女の次男も２度目の出稼ぎ中か準備中だと思いますが
相変わらず金を貸してくれと電話してきますね。
記事に書かれているように、マニラで出稼ぎの準備をする為にかなりな費用がかかるんですかね？
フィリピン人にとって、”金をかして”というのは、挨拶みたいなもんですかね？ 笑い！
by Ryuchan (2012-05-19 08:05)
ryuchan様
コメントありがとうございます。
私の知っている範囲では、ブローカーは出稼ぎメイドの人材を、ほとんど田舎の貧困層の子女から集めます。
面接でどうしようもないのを落として、使えそうなのをマニラでトレーニングして出生証明（正式な出生届が無いのがほとんどです）からパスポート（持っているわけない）、航空券など手配して、送り出します。
費用は全部ブローカーや雇い主からの借金です。
ブローカーは当然ボッタくります。
外国ですから逃げられないし、万一逃げても被告の家族が共同責任です。
昔の”唐行きさん”ほどじゃないとしても、家族第一の人たちが家族の元を何年も離れるんですから・・・・。
フィリピン人に生まれたから仕方ないのですが、日本だって、このまま落ちぶれ続ければ、他人事じゃないですよ、きっと。
by yashinoki (2012-05-19 11:40)