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小船のテスト2 [フィリピン]


先日、うちの見事に何もできないメイドさんが辞めて、すぐ別のメイドさんが来たと書きましたが、さらにもうひとり入れてしまいました。
また17歳!です。


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またいつ、プイッと居なくなるか分かりません。
フィリピン人スタッフの雇用関係の仕事は、非常に面倒なので大方は奥様Mにまかせっきりです。
しかし、調理、掃除、子守りなど用事はいくらでもありますので、この不況の折、雇用確保にT2も貢献いたしました。
・・・とか何とか言ってますが、日本からすれば、レベルはともかく、比較にならないほどの給料で人が雇えることは、フィリピンの良いところです。


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さて2度目の小船のテストであります。
いじった箇所は、とりあえず1箇所だけ。
前の横木の曲げ具合を少なくして、アウトリガーの先を5センチほど以前より上げました。
波に突っ込むことが少なくなるはずです。
実際問題として、バンカーボートというのは、ヨットと似たようなもので乗り手がバランスを崩さないように乗る、というのが前提の舟です。
したがって、波風があるときに下手に乗れば、ひっくり返って当然なのであります。
船大工とも話したのですが、舟自体には問題ない。
むしろ、非常に軽くとても良い舟だとの事でした。



大恥をかいた前回と同じくらいの波と風の日を狙って、テストを敢行いたしました。
(奥様Mに言わせると、ちょっと前回より波が低いかな? ということです。)


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T2のスロープを使い、舟を海に降ろします。
2人で充分の軽さですが、情けなくも仰々しく、4人で運びます。



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私フウテンは、打席のイチローさながら、キッと沖を睨みつけ、タイミングを計り舟を押します。



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船底をこすらない適度の深さで乗り込みます。





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櫓を取り、声高らかに「♪うみわよ~おぉ~ぉ、うみわよ~ぉ、でっかい~ぃうみわよ~ぉ♪」
と漕ぎ出します。



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T2からは見れません。

これは作戦です。
内心は、もしまたひっくり返ったら・・・、とそのときの用心で前回と反対の、沖に向かって右側に漕いで行ったのです。
左方向は『また沈め~!』と呪いをかけているアホな見物人が大勢いるかも知れないので、敬遠しました。

作戦成功です。
浜に見物人はいません。
これで充分テストできます。
やり過ぎてひっくり返っても、大恥かく事はありません。
武士は、もとい、私のような典型的な日本人は、恥をかくことが嫌いです。
日本文化は、恥の文化です。
それに、またひっくり返ったら、村の噂話のかっこうのネタです。
そいつだけは避けたいです。
何しろ面白おかしく、はなしに大きく尾ひれがつきますから。
たまったもんじゃ~、ありません。
私には、奥様Mの忠実な執事としてのプライドがあります。



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そして何事も無く無事テストを終えて、煌(きら)めく波の上を帰ってきました。
(やはり前回は、腕が鈍っていたのか?久しぶりのせいか?それとも・・・エンボイ?)


今度は2名乗船のテストです。
現場のスタッフ2人を無理やり呼んで。
エンボイはなぜか嫌がりました。
怪しいです。



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「行ってこーい!」

かなりのいきおいで乗り出した二人ですが、すぐ帰って来てしまいました。





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なんか焦って漕いでいるようでした。
不審な動きです。
前回の沈没を見ているので、怖いのでしょうか?
しかしこれでは舟の状態が見れず、テストになりません。
浜に着く前に、
「もっと、沖ィ~!おき~!」
と追い返しました。

うちのスタッフ全員“山彦”か?
海は苦手なのでしょうか。
そういえば、現場を始めて1年以上になりますが、いくら暑い日でもうちのスタッフが海で泳いだのを見たことがありません。
休日に漁師をして稼いだという話も、皆無です。

2人は仕方なくという感じで沖に出て、トットとひと回りして帰ってきました。




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テスト終了。



今回のテストの結論。
どうやら前回の沈は、操船ミスの可能性が高い。

船のバランスを云々すると、喫水が高すぎるという事が云えると思う。
小型のバンカーボートの場合には、人は船の中ではなく左右の舷側上に渡した板に腰掛けるように座りますので、結果どうしても[舟+人]の重心が高くなり、不安定さが増します。
軽い1人乗りのときは、なおさらです。
横波によるロールも大きくなります。
そのためバランスを取るのが難しくなり、慣れが必要です。
私は、製作の際、舟の喫水を通常より2インチ高くするようにリクエストしました。
理由は、普通に喫水が低いと日本人の方が乗った場合、沈むのか?・・・と恐怖感を感じるのではないかと考えたからです。
その喫水の高さが、災いしてます。
しかしこれはテストということで何も積んでいないせいもあります。
ロープやアンカー、釣り道具や荷物を積めば、当然喫水は下がります。


2人乗りのときは、適度に喫水が下がり安定性が増しますが、アウトリガーの塩ビパイプの浮力がやや小さいようで、波風で万一バランスを崩してアウトリガーを沈ませた場合には、沈する可能性があります。
3インチ径のパイプを使いましたが、4インチがベターかもです。
しかし、3インチでも操船で充分カバーできる範囲内でしょう。
アウトリガーを大きくすれば、舟の重量も増すし、水の抵抗も大きくなります。

退屈な話が続きますが、海上ではバンカーボートのアウトリガーは、常に両方もしくは片方の一部が水に漬かっています。
片方が大きく水中に沈んだ(船が傾いた)場合、乗り手が櫂を使ったり、重心を移動したりして沈を避けるのが普通です。
しかしボートだけの問題として捉えると、水没したアウトリガーの浮力と同じくらい、空中にあるもう片方のアウトリガーの重量が復元力には重要です。
この重量と浮力のバランスが、にわかバンケーロ(ボート乗り)の私には体感できません。
つまり水との比重の関係で、重くても浮力のあるものや、軽くても浮力の無いものがあるわけです。
もっと正確に言うと、形状を無視すればですが、体積と重量と浮力(エアースペース)の相関関係ということになります。
車で言えば、キャビンの居住性と空気抵抗値、燃費、動力性能等々のようにそれぞれの要素が絡み合い、時には相反し、関連してます。
こんなバンカーボートでさえ奥は深~いようです。



まあ、このままで様子を見ることにします。
私も時間が取れれば、操船技術を磨いてみたいと思います。

しかしエンボイ、アヤッしいなぁ・・・。





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