どうしちゃったの？

オリンピック、終了いたしました。
こちらでもＴＶ放送はあるのですが、フィリピン人好みの競技とフィリピン人が出る競技中心ですので、あまり見ませんでした。
しかし、見たくて見れた試合もありました。
テニスの女子シングルス、決勝です。
私が個人的に好みなデメンティエワが、金メダルです！









中央が金のデメンティエワ、左が朝青龍なみの試合態度のサフィーナ。



プロデビュー98年の26歳。
常にランキングのトップ１０以内にいる実力派なのですが、見事に地味です。
いつも試合態度のそこここに性格の良さがにじみ出るのが、私好みの理由です。
対戦相手を気遣ったマナーはピカいちです。
そのためか、勝利に対する執念のようなものが、若干欠けるような気が致します。
ＷＴＡツアーの優勝経験は単複で16回あるのですが、どちらかというと小さな大会が多く、グランドスラムの優勝はありません（過去に準優勝2回）。
なんとか大きなタイトルを一度取ってもらいたくて、かげながらいつも応援していたのですが、とうとうやってくれました。
今回は試合中に右手で壁に触り、祈る（？）のが印象的でした。
私個人のなかでは、北京で一番嬉しい金メダルです。

おめでとうエレーナ！
オーチン、ハラッショー！
今度一緒に飲もうぜ！








建設中のコテージの窓から見た本日の[Ｔ２]のビーチ。




うちの現場は、朝７時からスタートする。

朝食を食べながらクラブハウスのラウンジの窓から外を見ていると、だいたい６時40分を過ぎると、まずペンキ職人のＫがやって来る。
すると、まるでそれが合図のように、ゾロゾロと他の連中も[Ｔ２]にご入場となる。
溌剌（はつらつ）と歩いて来る者、颯爽（さっそう）と自転車で乗り付ける人。
それぞれクラブハウスの脇を通って、海辺のコテージの現場へ向かう。
エンボイなどは、サイクリングでもしているように、なぜかニコニコしながらペダルをこいでいるのだ。
遅刻が無いことはないが、せいぜい１２人中1人、しかも1週間に１回くらい１０分以内だ。

これは「どうしちゃったの？」というくらい異常な光景なのではないか。
何故なら、フィリピンにはあの知る人ぞ知る「フィリピンタイム」というものがある。
つまり、だいたい30分から1時間くらいは時間に遅れて当たり前、のことを言う。
腕時計も持ってないのに、時間より少し前に全員揃うのがすごい。
だいたいフィリピン人に限らないが、人は労働というものを元来好まない。
何かの為に仕方ないから働く、一種の義務的な行為だと思っているのが一般の労働者だ。


（特に欧米のキリスト教的考え方では、アダムとイブが、エデンの園で悪魔の実を食べて神の怒りをかい、楽園を追放された。
以来、神は女には出産の苦しみ、男には労働の苦しみ、等々を人間に科した。
という教えがあるので、労働は苦、義務という意識でしている人が多いと思う。
ちなみにフィリピン人の95％はローマンカトリックをはじめとするキリスト教徒である。）


かく申す云うフウテンも、20数年間の日本でのサラリーマン時代があった。
混雑する通勤電車や夜間残業、休日出勤、長時間労働、うんざりしたことも１度や2度ではない。
もちろん、私の世代は団塊の世代の弟達であるから、同僚より早く出勤すること、より多くの仕事をこなすこと、休日も休まないことなど、短的に云えば、1に仕事、2に仕事、3,4がなくて5に仕事、とワーカホリック然と生活のほとんどを仕事に奉げた時期もあった。
（能力不足のゆえで、出世にはあまり結びつかなかったが・・・。）

しかしここフィリピンの、まして田舎ではそんな事はブタが空を飛ぶくらい、あり得ないことなのだ。
うちの現場でも、当初は時間に少しルーズなフィリピンスタイルであった。
格別に厳しく注意したわけではないが、最近は先の有様だ。

そして、仕事中のサボりも極端に少なく、材料切れなどで仕事が途切れると、すぐに自発的に次の仕事を始めている。

オイ、おい。
どうしちゃったの？
ここはフィリピンじゃなかったっけ。


前にも書いた気がするが、この国の人としては珍しい連中が集まったような、うちの現場である。
あるいは、最近は断行していないが、フウテンの容赦無い首切り恐怖政治が効いているのか。

今度から朝のラジオ体操でもやったるか、などと半分本気で考えてしまうフウテンオヤジである。